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更新:11月21日 10:50PC&デジタルカメラ:最新ニュース

薄型デザインと高速起動が魅力のミニノート アスース「Eee PC S101」

 パソコン市場を活性化させているミニノートパソコンだが、5万円前後という低価格のために、デザインや質感、性能面ではそれほど期待できなかった。しかし、台湾アスースが22日に発売する新製品「Eee PC S101」はそれを覆す薄型デザインと性能を実現した。注目の新モデルをさっそく試してみた。(ハードレビュー)

■高級感と使いやすさを備える

高級感のある専用のカバンも付属

 アスースは10型の「Eee PC 1000H-X」や売れ筋モデルの8.9型「Eee PC 901-X」、7型でより低価格な「Eee PC 4G-X」など、ミニノートのバリエーションを増やしている。そこに、新たに加わったEee PC S101は、実勢価格が6万9800円と少々高いものの、パソコンの中上級者が求める使いやすさと所有欲を十分満たす仕上がりになっている。

 Eee PC S101の基本仕様は、ディスプレーが1024×600ドットの10.2型ワイド液晶で、CPUはインテルの「Atom N270」、メモリーは1ギガバイト、記憶装置は16ギガバイトのSSDとなっている。Eee PC 1000H-Xに近い仕様だが、特筆すべきはその薄さと軽さだ。Eee PC 1000H-Xの厚さが28.5ミリ(最厚部38ミリ)で重量が約1.45キロなのに対して、Eee PC S101の厚さはわずか18ミリ(最厚部でも25ミリ)で重量も約1.06キロだ。ミニノートの中でもトップクラスの薄さと軽さを実現している。そのため、カバンに収納しやすく、携帯性を重視する人でも十分満足できるだろう。

マウスも同梱する

ACアダプターも小型で持ち運びやすい

 光沢感のある天板、ヘアライン加工されたパームレストと、安価なモデルとは思えない高級感のあるデザインも魅力だ。ヒンジ部に「スワロフスキー」のクリスタルを埋め込むなど、さりげない場所にまでこだわっている。性能とは別に「ほしい」と思わせる雰囲気を十分に備えている。

 使いやすさにもこだわっている。キーボードのキーピッチは約17.5ミリとA4クラスのノートパソコンと同等のサイズが確保されており、長文の入力にも十分に耐えられる。Eee PC 901-Xのキーピッチが約15.5ミリなのと比べると、圧倒的に打ちやすくなっている。記号など一部のキーは小さくなっているものの、配列にクセはなく初めて使う場合でもスムーズに打てるはずだ。

パームレストはヘアライン加工されている

キーピッチは約17.5ミリ確保されており、使いやすい

 タッチパッドも十分な面積が確保されており、使いやすい。クリックのボタンは見た目は1つだが、内部的には左右に分かれているタイプで、使い勝手としては一般的な2つボタンとそれほど変わらない。また、2本の指でタッチパッドに触れることでスクロールや拡大縮小、ページの移動などが行える「マルチフィンガー・ジェスチャー」機能も備える。

■高い静音性と充実のインターフェース

 外出先で使うことが多いモバイルノートで気になる静音性も合格点に達している。冷却ファンは備えているものの、その音は非常に静かで本体に耳を近づけないとわからないほどだった。さらに、低負荷時にはファンの回転が止まるので完全に無音の状態となる。図書館など、非常に静かな場所でも安心して使えるだろう。

 放熱も効率よく行われているようで、数時間使ってもキーボードやパームレストはほんのり暖かくなる程度だった。底面は表面よりも暖かくなるが、それでも熱いというほどのものではない。

 液晶はノングレア(非光沢)のタイプを採用しており、利用している本人が映り込んでしまうことはない。最近のミニノートパソコンは映り込みのあるグレア(光沢)タイプが多く、文書作成には向かなかった。ビジネス用途としてはノングレアの液晶のほうが人気が高いだろう。

 インターフェースは、USBが3ポートにD-Sub15ピンの外部ディスプレー出力、SDカードに対応するカードリーダー、有線LAN、IEEE802.11b/gの無線LAN、ブルートゥース、ヘッドホン、マイクと十分だ。ただ、残念なのはカードリーダーのスロットが背面にあること。デジカメの撮影データの読み込みなど使用頻度が高い場合は使いにくいので、今後の改善を期待したいところだ。

両端のインターフェース。USB、ヘッドホン、マイク端子などを備える

■高速SSDと独自技術でスピーディーな起動を実現

 アスースはEee PC 901-Xなど多くのモデルで記憶装置にSSDを搭載している。Eee PC S101では、より高速なSSDを採用しており、読み書きのスピードがミニノートの中でもトップクラスとなっている。

 ストレージの転送速度を計測できるソフト「CrystalDiskMark」の結果を掲載するので、2008年9月10日掲載の「携帯性はEee PCリードだが・低価格ノート3機種を比較(下)」と比較してほしい。そのほかの性能については、ほかのミニノートとそれほど変わらない。PCの総合的な性能を計測できるベンチマークソフト「CrystalMark 2004R3」の結果も掲載するので参考にしてほしい。

 また、アスース独自の高速化技術「XpressPath」により、OSの起動と終了時間を高速化したのも大きな特徴だ。電源スイッチを入れてからウィンドウズ画面のタスクトレーにすべての常駐ソフトの起動が終わるまでの時間を測定したところ、XpressPathが有効の状態では約29秒だったが、無効の状態では約34秒だった。約5秒のちがいではあるが効果は出ている。

CrystalDiskMarkの実行結果

CrystalMark 2004R3の実行結果

 バッテリー駆動時間はカタログ上で約4.6時間となっている。液晶の輝度を通常の半分に設定し、MP3形式の音楽ファイルをバッテリーが切れるまで再生するテストでは約4時間23分とカタログ値に近い結果となった。Eee PC 901-Xには劣るものの、10.2型の液晶を備えていることを考えると、かなり健闘しているといえる。

 まとめとして、Eee PC 1000H-XやEee PC 901-Xよりも、約1万円高いという価格をどう見るかだろう。薄くて軽いため携帯性に優れ、使いやすいキーボードを備えているため文書作成など本格的なビジネスにも使える。一方、バッテリー駆動時間ではEee PC 1000H-XやEee PC 901-Xに劣っている。

 性能的には大きく変わらないだけに、どの点を重視するかが購入の決め手となるだろう。とはいえ、高級感のあるデザインはほかのミニノートにはないアドバンテージだ。パソコン好きな人ほど魅力的に思える1台ではないだろうか。

[2008年11月21日/IT PLUS]

-筆者紹介-

芹澤 正芳(せりざわ まさよし)

フリーライター・エディター

略歴

 学生時代に編集プロダクションの求人広告に応募して、この世界に飛び込む。その後、パソコン雑誌の編集者を経てフリーへ。ソフト・周辺機器・自作などパソコン関係の記事を幅広く執筆している。現在愛用しているモバイルノートは東芝ノートPC20周年記念モデルの「dynaBook SS SX/190NR」。実用性はもちろん重視するが、圧倒的に薄いなど見た目にインパクトのある製品に弱い。

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