更新:2007年9月28日 11:00PC&デジタルカメラ:連載・コラム
デジカメ新製品レビュー【デジカメレビュー】「おまかせiA」の実力はいかほど・「LUMIX DMC-FX55」
コンパクトデジタルカメラに求められる要素は、大きく分けて2つある。手軽に持ち運べる「携帯性」と、シャッターを押すだけでキレイに撮れる「手軽さ」だ。松下電器産業が8月25日に発売した「LUMIX DMC-FX55」は、「おまかせiA(インテリジェント オート)」機能を搭載することで、後者の手軽さをさらに追求したことが最大の特徴となる。 ■シャッターチャンスを逃さないおまかせiA おまかせiA機能は「光学式手ブレ補正機構」「高感度撮影機能」「動き認識機能」という従来機から搭載している「トリプルブレ補正」に、「自動シーン判別機能」「顔認識機能」「クイックAF機能」を加えたお手軽撮影機能の総称である。FX55のほか今秋冬モデルのデジタルカメラ2機種(DMC-FX33、DMC-FZ18)に搭載されている。 特に注目したいのは自動シーン判別機能だ。これは、被写体にレンズを向けるだけで「人物」「マクロ」「風景」「標準(動き認識)」「夜景&人物」(フラッシュ発光禁止時は「夜景」)の中から最適なシーンモードをカメラが選択して自動で設定する。 つまりFX55では、撮影環境に合わせて細かくシーンモードを設定する必要がないのだ。被写体にカメラを近づければマクロモードになり、風景にカメラを振れば風景モードになる。人物がフレームインすれば、人物モードに切り替わる。あとはシャッターボタンを押すだけであり、おまかせiA機能の肝となる技術といえる。
顔認識機能は他社製のコンパクトデジカメではすでにおなじみだが、松下がLUMIXに採用したのは今回が初めて。「人間の顔」と認識した場所にフォーカスを合わせる「顔認識AF」と、逆光状況時に顔を明るく写す「顔認識AE」の2つの機能を備える。最大で15人分の顔を検出でき、被写体が動いても追尾して認識枠を表示する。 クイックAF機能は、「フレーミングしている被写体に対して、フォーカスを合わせた状態に保つ」機能だ。多くのデジタルカメラではシャッター半押しでフォーカスロックを行うが、この機能を使えばデジタルビデオカメラと同じように自動でピントが合う。 これらの機能を組み合わせて最適化したおまかせiA機能により、誰でも気軽に最適な設定の写真を撮影できるようになった。特に、「ここぞ!」というシャッターチャンスに対する適応度は非常に高い。電源をオンにしてシャッターボタンをグイッと押せば、すぐさまピントがピタリと合った写真が撮影できるからだ。カメラを使う心構えすら変わりそうな便利機能である。 唯一苦手かもしれないと感じたのが、被写体をマクロ撮影しながら背景をボカすといった構図。たとえばローアングルから空を見上げて花を撮ろうとする場合、自動シーン判別機能によってマクロモードと風景モードをいったりきたりしてしまい、ピントが合いにくいのだ。ただしこの問題は、従来どおりシーンモードを設定してやることで解決できる。便利なことに慣れると、今まで普通に行っていた作業まで億劫に感じてしまうようだ。 ■スライド式で操作しやすい電源スイッチ・明るい液晶モニター FX55では、ボディー上部にある電源スイッチを左にスライドすると電源が入ってレンズがせり出してくる。最近ではこうしたスライド式の電源スイッチを採用するメーカーは少ない。主流は長押し式の電源ボタンだが、爪を長く伸ばしてネイルアートに凝っているような女性には、長押し式の電源ボタンは操作しづらいだろう。レバー式の電源スイッチならば指の腹で操作できるので、使う人を選ばない。気軽に持ち歩くコンパクトデジカメの場合には、こういった細かい使い勝手も製品選びのポイントになる。 液晶モニターは3型で、23万画素の低温ポリシリコンTFTパネルだ。周囲の照度に合わせてバックライトを自動でコントロールする「オートパワーLCD」機能を搭載しており、晴天の屋外など周囲の照度が高い場合には、バックライトの照度を上げて液晶画面を見やすくしてくれる。 FX55に初搭載された新機能ではないが、実際に使ってみたところ、これが思いのほか効果ありだ。今回の作例は晴天の屋外で撮ったのだが、普通のカメラだと画像を確認するには日陰に入るか、自分の影を利用しなければならない。しかしFX55では明るい場所でも比較的正しい色合いで写真を確認できる。地味ながら意外と重宝する機能だ。 カメラを頭上に構えた際、液晶画面を下から覗いてもよく見えるようにする「ハイアングルモード」機能も便利。運動会では、人混みのなかでカメラを持つ手を高く上げて撮影する機会も多いはずだ。こういう場合にハイアングルモードを選択すれば、下向きから見やすい表示に切り替わり比較的被写体を確認しやすい。 画作りに関しては、ほぼ記憶色寄りの設計である。「自然」よりは「キレイ」を優先している。コントラストが高めでパリッとした写真になり、若干ながら色味は派手になりやすい印象を受けた。とはいえ各パラメーターを上げすぎた「作りすぎた色合い」にはならず、色再現性については問題はないようだ。
■画素数に踊らされる事なかれ、おまかせiAの有効性に注目 各社が1000万画素オーバーのコンパクトデジタルカメラを次々と発表するなか、有効810万画素のFX55はスペック面では見劣りするかもしれない。しかしA3サイズで印刷するのでもなければ、そもそも1000万画素オーバーは必要ない。有効810万画素でも、A4用紙やL版用紙に印刷するのであれば十分以上の性能である。 ともあれこの製品では、おまかせiAの利便性が非常に高いことに注目したい。本当に気軽に、気持ちよくキレイな写真が撮れる。「失敗を恐れずにガンガン撮れる」のはデジカメのいいところだが、その「失敗」の確率が格段に下がる。初心者から中級者まで、幅広いユーザーにお勧めできるカメラだ。 次ページ――■DMC-FX55の作例 ● 関連リンク● 記事一覧
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