更新:2009年7月7日 10:30PC&デジタルカメラ:連載・コラム
デジカメ新製品レビューリコー「GR DIGITAL」の味わい 魅惑のカメラカスタマイズ(2)
「高級コンパクト」と呼ばれるジャンルのデジタルカメラを、思い思いのアクセサリーでドレスアップするカメラカスタマイズ。そんな大人の楽しみに火を付けたのが、2005年10月に登場したリコーの初代「GR DIGITAL」だ。(澤村徹) GR DIGITALは07年10月に2代目となる「GR DIGITAL II」が発売され、今も人気が続くロングセラーモデルである。GR DIGITALのカスタマイズは初代機の発売当初から密かなブームとなり、現在では多様なノウハウがユーザー間で蓄積されている。今回は、カメラカスタマイズのお手本のようなこのカメラを取り上げ、基本テクニックを解説するとともに、具体的なカスタム例を紹介しよう。 ■「GR DIGITAL」で学ぶカスタムのイロハ 一般的なカメラカスタマイズのポイントは4つある。外付けファインダー、アダプター、レンズフード、そしてストラップである。これはGR DIGITALに限らず、前回紹介したライカ「D-LUX 4」や次回取り上げる予定のシグマ「DP1/DP2」も同様。機種によって多少の違いこそあれ、アクセサリー装着のノウハウは十分に応用できる。ここでは拙著『GR DIGITAL カスタムブック』で取り上げたカスタムスタイルを例に、それぞれのポイントを解説していこう。
まず外付けファインダーから。高級コンパクトと呼ばれるデジタルカメラは、ボディー上部に外部ストロボを接続するための「ホットシュー」を搭載している。ホットシューには、外部ストロボの光量調整などが可能な電子接点が付いているが、ストロボだけでなく外付けファインダーや水準計など、いろいろなアクセサリーをここに装着できる。 外付けファインダーはレンズの画角に合ったものを選ぶのが原則だ。したがって、広角28ミリ相当のレンズを搭載するGR DIGITAL(GR DIGITAL IIも同様)には、28ミリファインダーを装着することになる。リコー純正の「GV-1」「GV-2」を筆頭に、フォクトレンダー(コシナ)の「28mm View Finder M」、クラシックカメラ用の28ミリファインダーなど、選択肢は実に豊富だ。ただし、外付けファインダーはれっきとした光学機器なので、実売2万円前後とかなり値が張る。カスタマイズのイメージをしっかり固めて、何を買うかを見極めたほうがいい。 アダプターは、地味ながらも重要なパーツだ。レンズフードやコンバージョンレンズを装着するためのカナメであり、なおかつドレスアップのポイントでもある。まずリコーの純正フード&アダプター「GH-1」の取り付けから解説しよう。 GH-1のアダプターには37ミリ径のねじ切りがあり、本来はここにコンバージョンレンズやフィルターを装着する。カスタムする際は、ステップアップリングで口径を広げ、その上にレンズフードを取り付けていく。ステップアップリングは、37-43ミリ、37-46ミリ、37-49ミリあたりをそろえておけばいいだろう。ちなみに、パナソニックの「LUMIX DMC-LX3」のアダプター「DMW-LA4」は、46ミリ径のねじ切りがある。シグマ「DP1/DP2」のアダプターも同じく46ミリ径だ。46ミリ径のレンズフードは種類が多いので、これらの機種はステップアップリングを使わずに装着できるケースも多い。
GH-1のアダプターはそれ自体がドレスアップの対象である。GR DIGITAL本体に似せた表面処理をしているものの、そのままでは樹脂製っぽさが見え隠れして質感に乏しいからだ。そこで、カメラ修理用のビニールレザーをカットして、両面テープで貼り付ける革巻き風のドレスアップが流行っている。グリップと雰囲気を合わせると、収まりのいいスタイルになる。Aki-Asahi.comのようにGH-1向けにカット済みのビニールレザーを販売しているショップも一部にある。手間を省きたい場合は、こうしたパーツを購入してもいいだろう。 太陽の光がレンズに当たるのを防ぐためのレンズフードは、デザインと実用の両面から選びたい。GR DIGITALは広角28ミリレンズなので、深めのフードだとケラレが発生してしまう。ケラレとは、写真の四隅にフードやフィルターの影が写ってしまう現象のことだ。多少のケラレは被写体にとけ込んで目立たないが、標準レンズや望遠レンズ用のフードを付けると、四隅が真っ黒になってしまう。 ただし、これをカメラ側で回避することも可能だ。最近はマルチアスペクト比に対応した機種が増えており、4:3でケラレが出ても、3:2なら大丈夫ということもある。また、1:1で撮れる機種なら、正方形フォーマット専用と割り切って標準レンズ用フードを付ける手もある。カスタムはあくまでもホビーなので、堅苦しく考えず、自由な発想で楽しんでみよう。 ストラップはカスタムの方向性を決定づけるアイテムだ。ブラックレザーならクラシック風に、ナイロン製なら現代的な見え方になる。また、カジュアルなスタイルが好みなら、キャメル色やホワイトのレザーストラップがいいだろう。ただし、取り付けには制約がある。GR DIGITALのストラップ穴は小さく、ループ式(ひもを通すタイプ)のストラップしか装着できない。クラシックカメラ用の二重リング式ストラップ、一眼レフ用ストラップは、そのままでは取り付けることができない。 かつてはループ式のレザーストラップが少なく、ユーザーはそれぞれ工夫しながらストラップを付けていた。ただ最近は、アルティザン&アーティスト、児島商店、モノグラム(カメラピープルストア)など、高級コンパクト向けのレザーストラップを扱うショップが増えている。ループ式だから直接カメラに装着できるうえ、黒、白、茶など、カラーバリエーションも豊富だ。昨今の高級コンパクトブームのおかげで、選択肢が格段に広がっている。 ■「GR DIGITAL」は“和風”が似合う!? GR DIGITALのデザインは、必ずしも懐古調ではない。一見するとクラシックカメラ風だが、カジュアルに持っても様になるし、いまどきのスリムなスーツ姿で使っても違和感がない。これはおそらく、GR DIGITALのデザインが日本人向きだからだろう。スタイリッシュというよりは、むしろ親しみやすい。こうしたデザインエッセンスを踏まえたのが、下のカスタム例である。
ポイントは「オリンパスSU 1.8」用の角型フードだ。オリンパスSU 1.8は1957年に登場したレンジファインダー機で、専用フードにはファインダーのケラレ防止用スリットが設けられている。四隅は丸く、柔和で親近感がわくデザインだ。マルミ製37-43ミリステップアップリングの上から装着している。4:3モードだとごくわずかにケラレが発生するが、3:2モードではケラレなしで撮影できる。 ファインダーはリコー純正の「GV-2」を選択した。その姿を改めて眺めると、古き良き時代の国産カメラを彷彿とさせる。フルカスタムしたGR DIGITALは先鋭的な姿になりがちだが、これは“ジャパンクラシック”とでも言おうか、お散歩カメラに打ってつけの牧歌的な雰囲気だ。 ただ、このままだと没個性的な中古カメラに見えかねないという懸念もある。日本人にとって、昭和期の国産カメラは懐かしくもあるが古臭くもある。レトロと陳腐は紙一重だ。 そこでバランスをとるために、キャメル色のストラップを合わせてみた。これはモノグラム製のレザーストラップで、ループ式だからダイレクトに装着可能。ジョイントを付け替えると一点吊りにもできる。黒とキャメルは思いのほか相性がよく、カメラをカジュアルに見せてくれる点がメリットだ。 国産カメラのパーツを流用すると、日本人の目にはややもすると古臭く感じられる。ストレートにクラシック路線を狙うよりも、カジュアルなストラップを「ハズシ」のエッセンスとして追加するとバランスがよさそうだ。このようにアクセサリー同士の相性や組み合わせが醸し出す味わいにこだわると、カメラカスタマイズがより楽しくなる。 [2009年7月7日] ● 関連記事● 関連リンク● 記事一覧
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