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更新:3月16日 10:30モバイル:最新ニュース

「iPhone」1000台で働く形はこう変わった ベリングポイント、導入半年

 ビジネスコンサルティング大手のベリングポイントは2008年9月、業務用端末として「iPhone 3G」1000台を一括導入した。これだけの数を法人が採用するのは、日本では同社が初めて。話題先行の印象もあったiPhoneだが、約半年で導入成果はどの程度出ただろうか。(大河原克行)

 現在、べリングポイント日本法人の社員1200人のうち、iPhoneを会社から支給されているのは、コンサルタントおよび経営幹部など1000人。その導入成果はひとことで言えば、「iPhoneが、働く形(ワークスタイル)を変えた」というほど目覚しかったようだ。

杉山優子氏

■通勤中にメールチェックが終了

 「通勤途中にメールのチェックが終わる。これまでは会社に着いてPCを起動させてから、メールの返事が終わるまでに30〜40分かかっていた。これがなくなるだけでも時間の効率利用を図れているのがわかる」。グローバルリアルエステート・アンド・サポートサービス北アジアパシフィック統括リーダーの杉山優子氏は、自身の体験からこう話す。

 ベリングポイントの本社が入るビルのエレベーター前。出勤時間にはiPhoneを片手に持った社員が列を作る。移動時間をメールのチェックなどに利用している証だ。「勤務時間、移動時間を含めて、とにかく無駄な時間がなくなった」と杉山統括リーダーはその効用を説明する。

 同社の業務用端末としてのiPhoneの利用法は、いたってシンプルだ。一つは、内線番号を振られた固定電話の代わりに持ち歩いて使う音声電話端末としての役割。もう一つは、社内のメールサーバーに接続してメールを送受信するメール端末としての役割だ。会社のPCでもiPhoneでもメールを利用できるよう、iPhone用にサーバーを追加している。

 ベリングポイントはこれまでも、音声端末やデータ通信カードの導入では、常に先行的な取り組みを行ってきた。

 旧アンダーセンビジネスコンサルティング時代の2000年には、PHSを活用した外線・内線共用電話をいち早く導入。同時にデータ通信カードを社員に配布し、64kbpsでのデータ通信環境を整えた。

 2006年には、社内のPBX(構内交換機)を廃止するとともに、携帯電話とデータ通信カードという体制に移行した。このときから、名刺には外線や内線番号ではなく携帯電話の番号が記載されるようになったが、これもコンサルティング会社としては先進的な取り組みだった。

 それから2年が経過して携帯端末のリプレース時期に入ったことで、スマートフォンが次の候補に上がったという。iPhoneの検討は発売とほぼ同じ2008年7月頃から始まり、わずか1カ月で決まった。

 「スマートフォンに関しては、2006年にも検討を行った経緯がある。だが、当時は端末の機能や利用するインフラ環境を考えて、まだ時期尚早と判断した。iPhoneは、機能、インフラ、操作性といった点で実用範囲に達しており、業務をサポートするツールとしても有効だと判断した」と、杉山統括リーダーは説明する。

■短い言葉で伝えるメール文化が発生

 効果は効率的な時間活用だけにとどまらない。

 同社では、上長の承認プロセスにメールを活用している。メールに対して上長の承認あるいは否認の返事をもらえればそれで済む。だが、外出が多いコンサルタントや経営幹部にとって、PCを起動させなくてはメールが使えないという環境は、承認手続きの遅れにもつながっていた。

 iPhone導入前は、承認後の進行がスムーズにいくよう、現場があらかじめ2〜3日間の余裕をみて、上長に承認を求めるメールを送信するといった配慮も行われていた。これはどこの会社でも一般的にあることだろう。

 ところが、iPhoneの導入後、移動中でもメールを確認できるようになったことで、承認までの時間が大幅に短縮したという。

 また、副次的な効果としては、PCのメールでありがちな長い文書ではなく、短い言葉でコミュニケーションを取る文化が生まれてきた。お互いにiPhoneを使っているという認識から、タイトルだけでメールの重要性を伝えるノウハウが自然に蓄積されるようになったともいう。

 これまでは「移動中だからつかまらない」という意識が当たり前だったが、「移動中だからiPhoneで確認してもらえる」というように時間の捉え方がガラっと変化したことも、大きなメリットだ。社員一人ひとりの時間の使い方が効率的になり、それが迅速な判断と業務処理につながっている。

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