更新:6月24日 23:01モバイル:最新ニュース
「iPhone 3GS」はどれだけ進化した 実機で徹底チェック
アップルが6月19日に米国など8カ国で発売し、3日間で100万台以上を売り上げた「iPhone 3GS」。26日にはようやく日本でも販売が開始になる。果たして、iPhone 3GSは「買い」と言えるような進化を遂げたのか。発売前ではあるが、実機を手に入れることができた。その使い勝手を動画も交えて報告しよう。(石川温のケータイ業界事情) ■「サクサク」を実感できる速度向上 iPhone 3GSの最もわかりやすい改良点は速度だ。iPhone 3GSの「SはSpeed」と開発担当者が明らかにしているように、チップなどの進化で処理や通信速度が大幅に改善したという。
実際のところどうなのか。まずは通信速度を昨年発売の「iPhone 3G」と比較してみた。iPhone 3GSと同じくソフトウエアバージョン「iPhone OS 3.0」にアップグレードしたものを使った。 実験にはXtreme Labsの「Speedtest」というアプリを用いた。都内数カ所で計測したが、やはり下りの速度は7.2MbpsのHSDPA通信に対応したiPhone 3GSのほうが圧倒的に速い。ただし、場所によってはほぼ互角の速度になることもあった。基地局側が7.2Mbpsに対応しているかどうかが影響しているとみられる。iPhone 3GSの威力を引き出すためにも、ソフトバンクモバイルにはがんばってエリア設計をしてもらいたいところだ。
では、ウェブページを実際に表示するときにどの程度差が出るのか。比べてみたのが左の動画1だ。iPhone 3GSのほうが圧倒的に速く、軽快な様子がわかる。iPhone 3GSはダウンロード速度だけでなく、ページのレンダリングも高速化している。瞬時にページを描いていくので、出先でもストレスを感じることなくウェブ閲覧を楽しめそうだ。 もう1つ高速化したのが本体やアプリの起動時間だ。iPhone 3GのCPUは駆動周波数が400MHz程度だったが、新型は「600MHzの設定で、最大では833MHzで動作する」との噂もある。複数のアプリを試したところ、その差は歴然だった。 本体は一度起動すればオン状態のままがほとんどなので、あまり関係ないだろう。しかし、アプリの起動時間は重要だ。今後も続々と大作アプリが登場してくるだろうことを考えると、この処理速度向上は大きな意味がある。たとえば、ユニクロの「UNIQLOCK」は質の高いコンテンツだが、起動に時間がかかりすぎるのが難点だった。iPhone 3GSでもまだかなりかかるとはいえ、iPhone 3Gのほぼ3分の2程度に短縮したことは注目に値する。
iPhone 3GSを試して感じたのは、「全体的にサクサクと動く」ということだ。これはiPhone 3Gを使ってきたユーザーであればわかるだろうと思うが、メールを開いたときの本文を表示する一瞬のもたつき、ウェブページのレンダリングや画面のスクロールといった細かい部分で生じる間がなくなり、瞬時に反応するようになった。 いままでiPhone 3Gを使っていても、あまり不満に感じなかったが、iPhone 3GSを使い始めるとこのサクサク感はかなりやみつきになるはずだ。 ■カメラは操作性が向上 iPhone 3GSはこれまで200万画素だったカメラを300万画素に引き上げている。スペックだけでいえば、いまの日本のケータイ市場では物足りない感があるが、実際の画質という点では充分に満足できるだけのものが撮影できる。 また今回から動画の撮影機能が加わった。カメラを起動すると、画面の端に静止画から動画に切り替えるスイッチが出てくる。これをスライドさせることで機能を切り替えられる(iPhone 3GSで撮影した動画サンプルはこちら)。 iPhone 3GSのカメラ機能で特に注目したいのは操作性だ。オートフォーカス機能によりピントが自動で合うだけでなく、被写体のピントを合わせたい部分に指をタッチさせると、四角い窓が表示され、そこに焦点が合う(動画2)。 これは3.5インチの大画面とタッチパネルとの融合によって実現した操作性といえるだろう。焦点合わせは動画撮影にも対応する。また、静止画では被写体にタッチすると、ピントだけでなくホワイトバランスなども合わせる。マクロに関しては10センチメートルまで寄っての撮影が可能だ。下の写真はiPhone 3GとiPhone 3GSで写真を撮り比べしたもの。仕上がりがかなり違うことがおわかりいただけるだろう。
もう1つ、使っていて楽しいと感じるのが、撮影後の処理だ。動画であれば、その場で必要なシーンだけをトリミング編集する機能を備え、すぐにメールやMMS(マルチメディア・メッセージング)に添付できるほか、動画サイトの「YouTube」やアップルのサービスである「MobileMe」にアップロードできるようになっている。実際にトリミング編集をしてみたが、直感的に指一本で始点・終点を選べるのはとても便利だ。 日本のケータイでも動画編集機能を備えた機種はある。しかし、十字キーを使い、ちまちまと編集点を設定しなくてはならなかったり、編集後のファイルをメールに添付できなかったりすることがあり、撮影後にいかに楽しむかというところまで気を配った端末はあまりない。 iPhone 3GSは画素数こそ見劣りするものの、こういった「機能を使わせる仕掛け」においては、日本メーカーよりも先を行っている。
■地図が電子コンパスやメールと連動 iPhone 3GSには新たに電子コンパスが搭載された。「コンパス」というアイコンをタッチすると、東西南北の方角がわかるようになっている。 便利だと実感できるのが、マップとの連携だ。マップを起動させ、画面左下の現在地ボタンを押すと、現在地を測位するのは従来通り。ここでもう一度現在地ボタンを押すと、今度はコンパス機能が起動して、自分の向いている方角に合わせて地図が回転して表示の向きを変える(動画3)。 画面上には現在地の青い丸から白いビーム状の三角が表示される。これが、方角とその精度を示している。三角の角度が狭ければ、それだけ正確に方角を測定できているということだ。 iPhone 3GSは今回、メールの本文中にある住所をクリックすると自動的に地図アプリが起動する新機能を採用した。初めて行く先でも、メールを開いて住所をタッチ、マップを起動させて現在地を把握して、あとはコンパスを頼りに目的地に向かうといった使い方が可能だ。日本のケータイにも道案内アプリやサービスは数多くある。しかし、メールとマップがシームレスに連携する例はほとんどない。 大画面で見やすく、気になるところは簡単に拡大や縮小ができ、方角も迷わない。iPhone 3GSは人のナビゲーションデバイスとしても、十分に満足できる使い勝手に進化したといえる。 次ページ>>買うべきか、買わざるべきか ● 関連記事● 関連リンク● 記事一覧
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