更新:5月21日 13:30モバイル:最新ニュース
iモードブラウザー進化のインパクト 携帯夏商戦NTTドコモ編
NTTドコモが19日に発表した夏商戦モデルとなる4シリーズ18機種。注目はやはりグーグルが主導して開発した携帯プラットフォーム「Android(アンドロイド)」を搭載する「HT-03A」(台湾HTC製)の日本初上陸だ。(石川温のケータイ業界事情) NTTドコモが今回発表した18機種は、業界トップらしく幅広いユーザーを対象とし、あらゆるニーズに応える製品をそろえている。
■話題は日本初上陸のグーグル携帯 多くのメディアの話題を集めたのは、日本初上陸となるアンドロイド搭載の「HT-03A」だ。昨年発売されたソフトバンクモバイルの「iPhone 3G」(アップル製)のライバル機種として、じっくりと取材するメディアが目についた。 残念ながらHT-03Aの陰に隠れてしまったのが、東芝製の「T-01A」だった。東芝がNTTドコモに端末を供給するのは、2002年9月の「T2101V」以来というから、実に6年半ぶりの復活である。4.1インチの大画面液晶、米クアルコム製チップ「スナップドラゴン」(駆動周波数1GHz)を搭載した高速処理を売りとする意欲的な製品だけに、東芝としてはこれから宣伝活動に力を入れ、なんとか巻き返しを図りたいところだろう。 ■印象は「マイナーバージョンアップ」だが・・・ 国内主要メーカーのラインアップを俯瞰すると、第一印象としては「マイナーバージョンアップ」という感が否めない。しかし、各社はそれぞれ、他社にはない独自の機能や技術を盛り込んでおり、そのあたりが商品選びのポイントになってきそうだ。
シャープは「SH-06A」に1000万画素CCDカメラを搭載し、「SH-07A」では同社のブルーレイ・ディスク(BD)レコーダーで録画した番組を簡単にコピーして持ち運べるようにした。つまり、カメラと家電との連携が売りである。 NECの「N-06A」は無線LAN対応が特徴。無線LANスポットへの接続だけでなく、N-06A自体が無線LANスポットとなり、周辺の機器をネットワークに接続できるようにしている。 既存の筐体を強化させたのが、パナソニックモバイルコミュニケーションズだ。「P-07A」は背面に2インチのカラー液晶を搭載し、本体を閉じた状態でもカメラを撮影できるスタイルにした。 富士通は従来のイメージとは異なり、液晶を横向きに90度回転させる機構を持つ「F-09A」を投入してきた。ただ、富士通は今回は計2モデルしかなく、どちらかと言えば、「らくらくホン」に注力している感がある。 シャープ、パナソニック、富士通はそれぞれ防水対応機種を投入しており、一方、NECは防水よりも薄型をとったようだ。
■海外メーカー初のおサイフケータイ 韓国LG電子は「PRIME」「STYLE」の2シリーズ向けに新製品を用意した。しかも、海外メーカーとしては初めて、おサイフケータイへの対応を実現している。日本独自のサービスであるおサイフケータイを使えるようにしたということは、それだけ日本市場に本気で取り組んでいる証拠だ。 昨年「プラダフォン」を発表したときに、LG関係者は「おサイフケータイ対応の準備を進めている」と話していたが、いよいよ夏商戦から製品を投入できるようになったわけだ。 ちなみに5月20日掲載の「上位モデルも低価格機も充実しているが・・・携帯夏商戦ソフトバンク編」では、ソフトバンクモバイルが他社をキャッチアップしていると書いたが、NTTドコモも他社を相当意識したラインアップになっているように思える。 例えば、コナミスポーツクラブ監修のアプリを搭載した「N-07A」(NEC製)は、KDDIのサービス「au Smart Sport」と、東芝製端末「Sportio」の対抗機種といえる。「エヴァンゲリヲンケータイ」は、ソフトバンクモバイル「シャア専用ケータイ」に感化されたとしてもおかしくない。
■iモードブラウザーの進化に注目 実は今回、最も関心があるポイントは、端末ではなくiモードブラウザーの機能強化だ。iモードブラウザーの操作性が向上し、スペックも大きく進化したのだ。 まずiモードボタンを押すだけで、すぐにキャッシュされたiメニュー画面が出るようになった。トップ画面には「マイニュース機能」として、RSSリーダーが加わった。 これまでは上下キーのみでしか操作できなかったが、今回からは左右キーも使えるようになる。これにより、少ない手数で目的のページに行けるだけでなく、Flashベースのゲームなどもテンキーを使わず十字キーで操作できるようになる。 また、ページサイズを100KBから500KBまで拡大したことで、より表現力のあるコンテンツを閲覧できるようになった。さらに、ページ内でそのまま動画を再生することができ、JavaScriptにも対応する。 フルブラウザー並みの機能が搭載されているが、現状はまだiモードブラウザーとは別にフルブラウザーが搭載されている。料金体系も当然異なり、iモードブラウザーのみであれば上限は4410円、フルブラウザーを使えば上限5985円である。 ユーザーの立場からすれば、iモードの可能性がさらに広がり、上限5985円のフルブラウザーを使わなくてもリッチなコンテンツを楽しめるようになるのは歓迎すべき進歩だ。 今後は優れた課金プラットフォームと、表現力の高いブラウザーが組み合わさることで、PCの世界では実現できなかったコンテンツの世界がiモード上に参入してくることも考えられるだろう。新たなiモードコンテンツ市場が創出されることに期待したい。 ■コンテンツへの動線が重要 音声通話収入が落ち込むなか、2010年に導入される次世代規格LTEを目前にして、携帯各社はコンテンツの拡充に全力を挙げている。 例えば、NTTドコモであれば、エイベックスと手を組んだ「BEE TV」であり、ソフトバンクモバイルであれば、「S-1バトル」や「選べるかんたん動画」である。 ただし、いくら優れたコンテンツを用意しても、そこまでの動線が使いやすく分かりやすいものでなければ、視聴してもらえない。今回、ソフトバンクモバイルはユーザーを誘導するのに「メール」に目をつけ、NTTドコモはブラウザーを進化させてきた。 iPhoneを使っていて「快適」だと感じてネットに頻繁にアクセスするのは、「Safari」というブラウザーが使いやすいからだ。そういった意味でもiモードブラウザーの進化は注目に値する。 ■端末の拡販がドコモの使命 ただ気がかりなのは、端末の買い換え需要が冷え込み、新しいブラウザーを搭載したモデルが急速には普及しそうにない点だ。コンテンツプロバイダー関係者の多くが「機能が強化されても、普及するのに2年以上かかる。ビジネスが立ち上がるまで我慢が必要」と実情を語る。 数年前であれば、一気に端末が売れて、新しいコンテンツが大量に流通する状況を期待できた。しかし、最近は端末の売れ行きが落ちたことで、コンテンツ市場の活性化にもブレーキがかかっている。 端末が売れないのは、メーカーだけに関わる問題ではない。コンテンツプロバイダーにとっても厳しい時代になってしまったのだ。 今後、新たなコンテンツが盛り上がっていくかどうかは、新iモードブラウザーの普及具合がカギを握る。そういった意味でも、ドコモはできるだけ多くの新製品を早期に売りまくらなくてはならないのだ。 [2009年5月21日] ● 関連記事● 関連リンク● 記事一覧
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