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更新:2006年11月22日 12:00インターネット:特集

YouTubeと著作権問題

動画投稿サイト「テレビ映像なければ利用減る」が6割――日経リサーチ調査

 米YouTubeなど動画投稿サイトの普及が進んでいる。NIKKEI NETが調査会社の日経リサーチと共同でインターネットユーザーを対象に行った調査では、動画投稿サイトを使ったことのある人は49.7%とほぼ半数に達し、人気の高さを裏付けた。一方、テレビ映像や音楽ビデオ映像など著作権者の許諾なしに投稿されたコンテンツがなければ利用頻度が落ちるとした人が6割いることもわかった。動画投稿サイトのユーザー動向を分析する。

 調査は11月2日から7日まで、日経リサーチのインターネット調査モニターに登録した全国16―69歳の男女2477人の回答を集計した。回答者のうち男性は52.4%、女性は47.6%。10代が14%、20代が16.4%、30代が19.7%、40代が19.7%、50代以上が30.2%だった。

■利用者層が拡大・サイト人気は国境を越える

 米グーグルがYouTubeの買収を発表、日本のテレビ局やネット企業も動画投稿サービスを相次いで始めるなど、動画投稿サイトを巡る動きが活発だ。特にYouTubeは海外のサイトにもかかわらず日本のユーザーが多く利用していることで知られ、テレビ番組やアニメの映像など日本のコンテンツが多数掲載されている。アンケートでは、映像を見るだけの利用も含めて「動画投稿サイトを利用したことがある」という回答が49.7%に達した。

 利用経験者の属性を見ると、女性や中・高年の利用者も増えていることがわかる。女性のなかで利用経験者の比率は41.7%と4割を超えた。年代別に見ると、利用経験者は若い人ほど割合が高く、10代が76.7%、20代が61.2%、30代が52.3%。一方、40代も45.1%、50代以上も32.3%が利用経験があると回答しており、ユーザー層の広がりを読み取ることができる。

 利用頻度は「週3回以上」が21.4%。「週1回以上」に広げると54.1%だった。参考までに、アクティブユーザーが多いとされるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)国内最大手のミクシィの利用率は「3日に1回以上の利用者が7割」といわれている。

 よく利用するサイトはYouTubeが63.4%と圧倒的に多く、続いてYahoo!Video(27.5%)、GoogleVideo(15.4%)と続く。日本のサイトはサイバーエージェント運営のアメーバビジョン(2.4%)、アスク ドットジェーピー運営のAskビデオ(1.5%)とごくわずかにとどまり、国境を越えて人気のサイトにアクセスが集中している傾向がわかる。動画投稿サイトの魅力についての質問には「話題性の高い映像を一覧できるから」が45.9%、「見逃したテレビ番組などを見ることができるから」が39.4%、「マスコミなどで見ることのできない希少映像があるから」が36.6%だった。

■テレビ系コンテンツが人気・著作権侵害の認識はあるが・・・

 どのような映像コンテンツが利用者の人気を集めているのだろうか。よく見る映像のジャンルを聞いたところ、トップ3は「バラエティ・お笑い」(29.7%)、「音楽ビデオ」(27.7%)、「アニメ」(25.8%)という結果だった。よく見る映像の種類は「素人が作った映像」が20.7%であるのに対し、「テレビ番組、映画、ニュース、アニメなどプロが作った映像」が79.3%で、利用者の多くがテレビやDVDなど、既存メディアで流通しているコンテンツを動画投稿サイトで視聴していることがわかった。

 日本の著作権団体やテレビ局がYouTubeに3万件の削除依頼を集中的に行うなど、動画投稿サイトでは著作権者の許諾を得ないテレビ映像や音楽が大量に投稿されることが大きな問題となっている。動画投稿サイトの利用者は著作権についてどのように考えているのだろうか。

 著作権侵害のテレビ番組や音楽ビデオ映像がまったく掲載されなくなった場合でも利用を続けるかと聞いたところ、今までより利用の頻度が「少し落ちる」(23.7%)、「大きく落ちる」(25.2%)、「利用しなくなる」(12%)と、利用が減る可能性のある人が6割に達することがわかった。頻度が「少し上がる」は4.1%、「大きく上がる」は1.8%で、頻度が上向く傾向は見られなかったが、「今までと同じ頻度で利用する」も33.1%だった。

 利用者はテレビ映像などのコンテンツを見たい半面、多くの人が著作権侵害のコンテンツを投稿することが悪いという認識は持っているようだ。著作権侵害の映像については、「投稿すべきではないと思う」との意見が37.8%で、「投稿してもかまわない」の11.9%を大きく上回った。ただ一方で、「他人の著作物を無断で使っていてもオリジナル性のあるコンテンツならかまわない」も20%あり、「どちらともいえない」と判断を保留する人も30.3%いた。

 さらに、著作権侵害コンテンツを閲覧することについての質問では、41.9%が「投稿は良くないが、閲覧するだけならかまわない」と回答。「閲覧するだけでも良くない」の14.9%との差が大きかった。

 動画投稿サイトは、YouTubeのように、投稿された映像の著作権侵害の有無を事前審査せずに掲載し、問題があるものを事後的に削除するところが多い。日本の場合はフジテレビ関連の「ワッチミー」やNTTの「クリップライフ」のように事前に審査してから掲載するところが大半だ。利用者に、運営会社が取るべきスタンスについて聞いたところ、第3の道として「著作権者と交渉し投稿できるような方法を探る」が最も多く39.2%だった。「事前にチェックして掲載しないようにする」は22.3%、「通報を受けたら削除する」は32.4%となっており、著作権を保護しつつも、なるべくテレビなどのコンテンツを自由に掲載できる仕組みに期待が集まっているようだ。

■投稿経験者2%にとどまる

 YouTubeだけで1日数万コンテンツが投稿されるといわれているが、自分で映像を投稿したことのある人は1.9%と極めて少ないことがわかった。投稿したことのある人に投稿内容を聞いたところ(複数回答)、「自分や知人が撮影・制作したオリジナル映像」が70.8%。「テレビやビデオソフトを録画した映像」「インターネットで入手した映像」はそれぞれ25%にとどまり、投稿映像はオリジナルのものが多いことがわかった。

 投稿した理由にもこの傾向は見て取れる。「自分で作った映像作品を発表したいから」が41.7%と一番多く、続いて「自分が気に入った映像をほかの人にも推薦したい」(29.2%)、「他人の共感を得たい」(29.2%)だった。他人の著作物を無断で投稿したことがあるかという質問には「ない」との答えが75%と、「ある」の16.7%を大きく上回った。また、他人の著作物を自分の映像に無断で利用したことのある人は4.2%にとどまった。

■プロモーションメディアとしても有効か

 米国では動画投稿サイトの影響力の大きさから、テレビ局やレコード会社が相次いでサイトと提携し、コンテンツなどのプロモーションに利用するケースが増えている。利用者はそういった傾向を前向きにとらえているようだ。CM映像やプロモーションビデオの投稿が増えていることについて意見を求めたところ「魅力的な動画が多く、もっと増えてほしい」が29%、「今程度で十分だと思う」が28.4%で、「魅力的な動画が少なく、もっと減って欲しい」は9.3%にとどまった。ただし、「特に意識したことがない」も33.3%あった。

 宣伝効果についても「効果は高いと思う」が40.2%あり、「効果は薄い」(19.9%)や「かえってマイナス」(7.2%)を上回った。音楽ビデオや映画の予告編の投稿については「DVDや音楽を買ったり、投稿者のサイトを見に行ったりするきっかけになる」が51.7%と高かった。「投稿コンテンツを見て満足し、コンテンツを買ったり投稿者のサイトに行ったりしなくなる」は逆に12.2%と少なかった。

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[2006年11月22日/IT PLUS]

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