更新:2006年6月13日 10:00インターネット:連載・コラム
グーグル覇権に挑むグーグル覇権に挑む(4)中国のグーグル「百度(バイドゥ)」の実力【寄稿・前編】
グーグルが中国市場の攻略で苦戦している。政府による規制もさることながら、「中国のグーグル」と呼ばれ、米ナスダックに上場する中国生まれのベンチャー企業「百度(バイドゥ)」の存在が大きく横たわるからだ。両社は資本関係もあり、さまざまな面で似ているが、ビジネスモデルは大きく異なる。百度とはどのような企業で、グーグルは巨大な広告市場に発展する中国をどう攻めるのか。中国のネット事情に詳しい野村総合研究所流通アジアプロジェクト室の肖宇生氏が、前後編に分けてリポートする。 ◇◇◇
■中国検索市場は戦国時代に 最近、IT産業の軸はパソコンをべースにした「ウィンテル」から、検索サービスに絡んだネット企業の覇権争いに変わりつつある。その潮流の主役は間違いなく検索の巨人、グーグルだ。しかし、飛ぶ鳥を落とす勢いを見せているグーグルも、こと中国市場に関しては高い壁が横たわっている。それは「中国のグーグル」を自認してきた検索エンジン会社「百度(バイドゥ)」の存在だ。
世界と同様、現在の中国ネット業界も検索を中心に回り始め、競争が過熱している。百度の快進撃、世界の巨人グーグルの虎視たんたん、中国市場で辛酸を舐めてきたヤフーの倦土重来、中国ネット企業の先駆けであり、ポータルサイトの「新浪」「捜狐」「網易」の新規参入――。「検索を制する者は天下を制する」と言わんばかりに検索市場に群がり、まさに群雄割拠の戦国時代のようだ。 この中心に座るのは間違いなく百度だろう。百度は中国検索市場の先行者利益を確保するため、グーグルとは異なる独自のビジネスモデルを生み出している。いまや利用率のシェアで5割近くを占め、他社の追随を許さない強さを誇っている。 ■ナスダック上場で見せた「奇跡」 百度は創立7年のベンチャー企業。中国の検索市場においてどうしてこんなに強いのかを知るには、その歴史をさかのぼる必要がある。百度の創業者、李彦宏氏は90年代初期の中国からのアメリカ留学組。検索大手の米インフォシークに勤めた後、1999年末にアメリカのベンチャーキャピタルの融資を引っさげて中国に帰国後、百度を創立した。 当初から、中国語検索に絞ってナンバーワンになろうと地道に開発を行い、確固たる地位を確立した。2005年8月5日、「中国のグーグル」という触れ込みで投資家の注目を浴びる中で米ナスダック市場に上場を果たした。株価は上場当日、公募価格の27ドルから122.54ドルまで急騰した。上場当日の上げ幅は354%になり、アメリカ株式市場におけるここ5年間の最高記録という離れ業を成し遂げた。 百度はナスダックに上場する多くの中国ネット企業の中でもひときわ異彩を放つ存在になった。上場当日、会社内部ですぐさま億万長者が数名誕生したわけだから、中国国内の熱狂ぶりも凄まじいものがあった。上場後も確実に新しいサービスを拡充し現在でも株価は80ドル近辺で健闘している。 ● 関連記事● 記事一覧
|
|