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更新:10月31日 11:40インターネット:最新ニュース

YouTube「3万ファイル削除依頼」の内幕・第2弾は「匿名性排除」要請も

 もしあなたが10月2日からの5日間に、他人の音楽を無断でブログ上に掲載して抗議を受けなかったとしても、安心してはいけない。音楽著作権連盟(JASRAC)の監視部隊はこの期間、朝9時から午後5時まで、全員が米動画投稿サイト「YouTube」にかかりっきりだったからだ。国内の著作権者23社・団体が一斉に削除依頼の集中砲火を浴びせた「YouTube対策強化週間」の裏側を追った。

■「5日で3万件」が限界

 3万件の削除依頼のうちJASRACが担当したのは約1割。1日数万というYouTubeの投稿規模に比べ微々たる数字だが、普段からネットの様々なサイトを巡回して権利侵害を監視している専門担当者をもってしても「削除の手続きは大変緻密な作業。これ以上は無理」と悲鳴にも近い声があがった。

 YouTubeには、普通のユーザーからは見ることのできない、映像の削除を依頼するための権利者用専用ウェブサイトがある。映像をキーワードで検索し、対象となる映像のチェックボックスに印をつける。削除依頼リストをYouTubeに送ると、多くの場合翌日には削除が完了する。

YouTubeの「権利者専用の削除依頼ページ」。画像の左側にあるボックスをチェックして削除依頼することができる。写真はJASRACの内部資料のコピー

 この削除依頼、簡単に思えるがなかなか手間がかかる。作業ページは当然英語。映像には使われている曲名が表示されているわけではないので、最後まで視聴しないと権利侵害にあたるか判断できないこともある。曲の一部でも聞き逃すわけにはいかない。少しでも聞き取れたらイントロ当てクイズよろしく、それがどのアーティストの何という曲か、瞬時に判断し、JASRACが管理している楽曲かどうかをチェックする。「なぜ勝手に削除したのか」などという投稿者からのクレームに備えて、削除記録のデータベースに曲名など権利侵害の「証拠」を書き込んでおく必要もある。

 権利者向け削除依頼画面の存在を知らず、メールやファクスでやり取りしている権利者もいる。JASRACにはもともとサイト全般を巡回している担当者がいるからある程度対応できるが、「権利者が自分で映像を探して自分の責任で削除依頼する」方法では、権利者側の負担が大き過ぎる。

 実際、いまYouTubeの画面を見ると、まだ多くの日本のテレビ番組やアニメの映像が残っている。「強化週間」後に投稿されたものはともかく、何カ月か前から削除されずに残っているものも多い。単純に「手が回らなかった」ものに加え、テレビ局などが直接の権利を持たないものはテレビ局自身で勝手に削除するわけにいかないという事情もあるようだ。

■JASRACが呼びかけ

 JASRACがYouTubeの存在を知ったのは今年に入ってから。一般の人からの通報で気づいた。「一体どういうサイトなんだ?」。調べるうちに、日本のユーザーや日本のコンテンツが非常に多いとわかった。6月から削除依頼を始めた。

 YouTubeの認知度が上がるにつれ、JASRACには音楽関係者や作家からも削除依頼が舞い込むようになった。6月には2日に1回のペースでYouTubeにリストを送信。しかし対象リストは1度に数十件ずつしか作成できず、担当者は当初から「焼け石に水」と感じていたようだ。

 JASRACは「各社とも同じ問題を抱えているのでは」と考え、テレビ局などに声をかけ9月8日に第1回の意見交換会を開催。そこで出た対策の1つが、今回の「一斉削除依頼」だった。

 当初の呼びかけから参加メンバーは増えた。ヤフーもその1社。ヤフーの動画サービスのコンテンツのいくつかがYouTubeにも無断で流れているからだ。意見交換会ではYouTubeと同じ「ネット系企業」のヤフーにYouTube対策のアドバイスを求める場面もあったという。

 ただ、各社は無断掲載と削除依頼の「いたちごっこ」をいつまでも続ける気はないようだ。YouTube対策第2弾では「投稿者の匿名性排除」を含む、格段に厳しい要求の検討を始めている。

■対策第2弾は直接アピール、法的措置も「情報収集中」

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