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更新:4月18日 09:00インターネット:最新ニュース

「グーグルの肥大を誰も止められないかもしれない…」・オライリー氏単独インタビュー

 ネット企業や新旧メディアを巻き込んで激しい競争が続くウェブ業界。「ウェブ2.0」を定義した「What is Web 2.0」を書いたことで知られる米技術出版社オライリーCEOのティム・オライリー氏は、ウェブ業界の将来をどう見ているのか。米サンフランシスコで18日まで開催中の「ウェブ2.0エキスポ」会場で、オライリー氏に単独インタビューした。

――グーグルが、インターネット広告システムのダブルクリックを買収することになった。

 同じインターネット広告を手がけているとはいえ、グーグルとダブルクリックは違う事業モデルの会社だ。グーグルはロングテール的で小さなサイトでの広告を集めてくるモデルだが、ダブルクリックは大手メディア系サイトに強い。

 グーグルはネット広告で力を持っているとはいえ、グローバルの広告マーケットを考えたらまだ小さな部分でしかない。彼らの技術力を持って、さらにラジオやテレビ、新聞の広告を変革していくことを期待したい。

――Web1.0の会社をWeb2.0の会社が買うわけだが。

 業界におけるパワーシフトが表れている。過去の例でいけば、コンパックはDECを買収したが、その後コンパックはヒューレット・パッカードに買収されてしまった。単純に言えば、グーグルはキャッシュで買う余裕があった。2.0の会社のほうが、1.0の会社よりもパワフルだということだ。

――グーグルは同様の広告技術を独自で開発していたといううわさもあった。特に買う必要はなかったのではないか。

 グーグルがダブルクリックを買うのは、単に技術だけの話ではないだろう。大手企業の顧客や代理店との関係を買うのだ。小さな企業が革新的なバナー広告技術を持っていてそれを買うという話とは違うのだ。

――グーグルは買収を続けている。大きくなりすぎて自分たちで革新的なものを作り出せなくなっているのか。

 大きなカンパニーになってしまうと、どうしても大きなことをしようとする。そうするとイノベーションが止まってしまうものだ。ただし、グーグルだってヤフーだって挑戦は続けている。革新できなくなっているかどうかは、まだ判断できない。

――ウェブ業界ではアプリケーション(サービス)提供者とコンテンツを持つ事業者との戦いが数年続くと予想していたが、現在はどのステージにあるのか。

 ウェブ2.0の時代になり、インターネットの世界のルールが変わっている。オープンであり、オープンソースソフトやウィキペディアのように皆で共有することができ、多数の人が使うことで相乗的な効果が生まれる「ネットワークエフェクト」という現象が起きている。

 ただし、巨大なデータベースを用意したり、うまく扱うためのソフトウエア技術はオープンとは関係なく必要とされる。そういうところの勝負になっている。マイクロソフトが音声認識技術のテルミーを買収したのがそういう動きだろう。

――グーグルとアマゾンが合併して、ニューヨーク・タイムズ紙をネットから撤退させるという将来予想があった。

 未来のことはよくわからないが、どんな話も考えれらないことはない。1993年ごろにマイクロソフトがパソコンの世界でこれほどの力を持つと考えたことがあっただろうか。競合を追い出して、独占的な地位を築いている。グーグルにだってこれと同じことがあるかもしれない。

 データベースがさらに大きくなっていったり、携帯電話などの携帯機器がより使われるようになるなかで、インターネットの重要性は高まる。グーグルがパソコンでのマイクロソフトのように止められない存在になる可能性はあるだろう。

――データの提供者はどう生き残ればいいのか。

 ネットワークエフェクトを取り入れなければならない。例えば、カンザス州の新聞社の話だが、地域の子供たちのスポーツチームのページを作った。他の新聞社はカバーしていない。そして次の試合のためのデータベースを作るとき、親たちが新聞社ページのためのリポーターになったのだ。読者をうまく巻き込んで、彼らの付加価値を上げることができた。

 ニューヨークタイムズのような伝統的メディアの場合は、ヘビーユーザー向けにより価値の高いサービスを提供したり、われわれオライリーのように出版からイベントの開催、広告など様々な事業展開で、顧客を巻き込んでいくようなやり方で相乗効果を高める方法もあるだろう。

――ウェブで強いグーグルは他のメディアにも進出しているが、そこでも占有的な地位を築くようになるだろうか。

 グーグルはウェブの世界で言うと「ページランク」という独自の技術を持っている。ラジオのイベントとウェブのイベントをマッチングさせる、新聞のイベントとウェブのイベントをマッチングさせる。そのような形でウェブで培った技術をうまく展開できる可能性は十分にあるだろう。

Web2.0 Expo現地リポートはこちら

[2007年4月18日/IT PLUS 鈴木陽介]

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