更新:6月23日 09:41インターネット:最新ニュース
「コンテンツ制作者に冷たい日本」の2つの決定
先週は、コンテンツに関係する政策面での2つの注目すべき出来事があった。一つは「知的財産計画2008」の決定であり、もう一つはダビング10の急転直下の開始合意であるが、これらを通じて一つの事実が明確になった。日本の政府と関係者はやはりコンテンツ制作者に冷たい、ということである。(岸博幸の「メディア業界」改造計画) ■知的財産計画の非常識 確か昨年も酷評したはずだが、今年の知的財産計画も相変わらず出来が悪い。フェアユース規定の導入などが目玉であるかのように報道されていたが、そんな官僚のレクチャーどおりに書かれた記事に騙されてはいけない。 まず分量からして139ページと、関係省庁の政策を羅列しただけの戦略性のかけらも感じられない「霞ヶ関文学」の集大成となっている。それだけならまだしも、問題は「デジタルコンテンツの創造・流通の好循環を形成し世界有数のコンテンツ産業を育成する」などと大見得を切りながら、中身は流通促進に偏った政策のオンパレードであり、中にはコンテンツ制作者を迫害するような政策も記述しているのである。
具体的には、「包括的な権利制限規定の導入も含めて新たな技術進歩や利用形態等に柔軟に対応し得る知財制度の在り方(中略)について早急に検討を行い、2008年度中に結論を得る」という記述がある。これは、民間組織が提案しているネット法、ネット権の考えにほかならない。そのポイントは、ネット上のコンテンツ流通を促進するために、実演家の著作隣接権を許諾権から報酬請求権に弱めることである。政府の公式な場で検討されたこともない、民間の一部の人が勝手に構想した内容が知財計画に入るとは、驚くしかない。 そして、知財本部事務局はこうした考えが好きなようで、ほかにも「最先端のデジタルコンテンツの流通を促進する法制度等を1年以内に整備」など、複数の部分で同じ内容を想起させる記述がある。 要は、コンテンツ関連の部分の表題で「デジタル・ネット時代に対応したコンテンツ大国を実現する」と書いているが、羅列された政策からは、政府が目指しているのは“コンテンツ流通大国”でしかないということである。そして、それは大きな間違いであるり、確実に日本の将来に悪影響をもたらすだろう。 次ページ:■最低なダビング10の決着 ● 関連記事● 関連リンク● 記事一覧
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