更新:6月22日 10:20インターネット:最新ニュース
インターネット選挙の解禁が日本を救う
衆院選がいよいよ目前に迫ってきたが、気になるのは若い世代の政治への関心の低さである。今のように政策が危機的な状況では、日本の将来に禍根を残す。多くの若者がマスメディアよりもインターネットを使っていることを考えると、若い世代を政治のステークホルダーとするために、早くインターネット選挙を解禁することが必要ではないだろうか。(岸博幸) ■「選挙をする側」でなく「投票する側」のために これまで様々な識者や国会議員がインターネット選挙の解禁を主張してきたが、それらはどちらかというと、選挙をする側の利便性の観点からであったように見受けられる。 現行の公職選挙法では、選挙期間中の選挙活動が厳しく制限されている。しかし、葉書やビラのみを限定された場所で配るよりも、ウェブサイトで選挙公約などの情報を公開・更新し、かつメールで送るほうが、安上がりだし効果的という主張である。 米国ではオバマ大統領がネットを最大限に活用して大統領選に勝利した。その際、特にネット経由での少額献金が凄まじい額に積み上がったことから、ネット経由での献金の利便性という観点も強調されるようになった。 もちろん、これらの議論は非常に正しい。私自身、竹中平蔵氏が参院選に出馬したときに選挙参謀を務め、公職選挙法の規定が明らかに時代遅れであると痛感した覚えがある。 しかしよく考えると、こうしたインターネット選挙を巡る議論は、選挙という取引における“供給側”の論理を反映したものである。今の日本においては供給側の事情以上に、選挙で投票をする“需要側”の事情から早急にインターネット選挙を解禁すべきなのである。
■与野党の「ばらまき合戦」に若者は怒れ 現在の政策を巡る状況は悲惨である。目先の選挙で勝利するために、自民党と民主党が「ばらまき合戦」を競っている。自民党は、今年度の補正予算で14兆円という常軌を逸した大盤振る舞いを行った。その半分強は経済への波及効果が大きくない無駄金(基金で4兆6000億円、独立行政法人や公益法人に2兆8000億円)である。一方で、衆院選で政権を奪取する可能性が高まっている民主党が4月に発表した2年間の緊急経済対策も、21兆円と自民党以上のばらまきを志向している。 そのツケは財政赤字の拡大につながり、将来の増税という形で国民が払わされることを忘れてはならない。そして、“将来”ということは、今の若者世代がツケを負わされることを意味するのである。与野党が競って、勝ち逃げ組である高齢者(これまで低い負担で恵まれた生活をし、年金もちゃんともらえる)に対してお金をばらまき、そのツケを若者世代に回そうとしているのである。 その理由は簡単である。若者世代は政治に無関心で投票に行かない。だから、与野党とも投票率が高い支持母体である高齢者のことばかりを考えるのである。 しかし、史上最悪の財政状況、改革機運の後退というか消滅、政治のばらまき志向という現在の状況を勘案すると、政権交代をしてもしなくてもひどい将来が想像できてしまう。下手をすると10年後には、日本経済の活力が大きく低下しているなかで消費税率が20%となり、社会保障負担を含めた国民負担率は大幅に上昇、年金の所得代替率は確実に低下、となっていてもおかしくない。 そう、若者世代は今の与野党を通じたばらまき合戦にもっと怒るべきなのである。最近は若い男子が“草食系”になっていると言われるが、そんな悠長に構えている暇はないのである。私は真剣に、若者世代は「自分たちにツケを回すな」と叫ぶクーデターを起こして然るべきではないかと考えている。
■ネット世代にふさわしい選挙情報提供を 今の若者世代の行動パターンを考えると、マスメディア離れが特徴の1つとして挙げられる。若い世代は今や新聞やテレビといったマスメディアよりもネットを長く利用し、そこから情報を得ている。 そう考えると、ネット上でもっと政治や政策に関する正しい情報を提供し、若者世代が自らの将来を考えるきっかけを作るべきではないだろうか。ネット上で一部の若者は、竹島問題やNHKの番組に起因する台湾問題に過敏に反応している。政治や政策についても、少なくともマスメディアよりはネットのほうが、若者世代が問題意識を持つ起爆剤になるのではないか。 すなわち、インターネット選挙の解禁は、立候補する側という“供給側”以上に投票する側という“需要側”、なかでも特に未開拓の若者世代のために不可欠なのである。 繰り返しになるが、与野党の政策のベクトルがばらまきで一致し、金額の多寡を競っている今の政治は異常である。2大政党制でも何でもない。早く政界再編を起こすことが必要なのである。インターネット選挙が解禁され、そのきっかけとなることを祈らずにはいられない。 [2009年6月22日] ● 関連記事● 関連リンク● 記事一覧
|
|