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更新:7月28日 12:37デジタル家電&エンタメ:最新ニュース

アングラRMT市場を自社ゲームにどう取り込むか――先行する北米・韓国

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントの元社員が起こした「仮想通貨」偽造事件によって、ゲーム内で使われる仮想通貨が現実の通貨と取引される「RMT(リアルマネートレード)」の実態にスポットが当たった。しかし、今のRMT市場は過渡期にすぎず、このような不正問題の側面ばかりにとらわれると、これから起きる中長期の変化を理解できない。オンラインゲーム発展の歴史がそれぞれ違う北米と韓国で、ゲーム運営会社はRMT市場をどのように自社のサービスに取り込もうとしているのか。

 欧米ではRMTがメディアの注目を集めていないわけではないが、韓国で起きているような社会問題といったところにまでは発展していない。韓国や日本と同様に大半のオンラインゲームが規約上では基本的に禁止しているが、2001年頃からゲーム内のアイテムなどを専門に取引するRMT企業が登場している。

■北米のRMT市場は1800億円規模

 法律上はグレーゾーンで、オンラインゲーム会社がRMTによりゲーム運営上の被害を受けているとしてRMT業者を裁判に訴える可能性を常にはらんでいる。仮に、裁判に発展すればRMT業者が負けるリスクが大きいというのが一般的な見方だが、実際にゲーム会社が訴えるまで発展したケースは今のところない。

 北米のRMTの市場規模は、RMT業者のInternet Gaming Entertainment(IGE)が、自社の内部資料とシンクタンクの外部情報から推計して、2005年に15億ドル(1800億円)、2006年には27億ドル(3240億円)になると発表している。他に同様の調査がなくこの数字が一人歩きして様々なところで取り上げられているが、かなり水増しされた推計だと思われる。そもそもIGE自身の業績やデータの詳細も発表されておらず、信頼性が低い。

 多人数参加型オンラインゲーム自体の市場動向は、2004年11月に北米でサービスが始まった「World of Warcraft(WOW)」が全世界で650万人以上(北米だけでも200万人以上)の月額課金ユーザーを集めていて、ほとんどこのジャンルを独占しているといっていい状態だ。他のゲームは、北米で20万人程度のユーザー数しか獲得できていない。

 2002年12月に始まった「The Sims Online」は100万人をすぐに突破するのではないかと前評判が高かったのだが、実際には10万人しか集められなかったという大失敗から、しばらくオンラインゲームには可能性がないと考えられた時期があった。企業がゲームへの投資に消極的で、同時期に成長が続いていた韓国のように、オンラインゲームに付随してRMT市場が急成長していたとは考えにくい。

 また、アジアと大きく状況が違うのは、数千人単位の他者が参加するのではなく、数十人の単位で参加するタイプの「カウンターストライク」や「バトルフィールド2」に代表されるような1人称シューティングのオンラインゲームの人気が未だ高いことだ。

 1ゲームが3分程度、長くとも30分程度で決着が付くもので、ロールプレイングゲーム(RPG)と違って、仮想通貨やアイテムをユーザーが保有できるという連続性の概念が元々ないため、RMT市場は成立してない。

 こうした状況もあってか、欧米ではゲーム会社とRMT業者との深刻な対立というところまで発展していない。

■シューティングゲームもアイテム課金

 一方、韓国の場合はRMT問題が大きくなりはじめて(前回を参照)から、次第にアイテム課金型のモデルが増えていく過程で、ゲーム運営会社がRMTを自社戦略のなかに組み込んでしまうケースの方が増えてくるようになった。

 それで、最も成功したのがゲームポータルサイトのNHNの「ハンゲーム」だ。カジュアルゲームと呼ばれるカードゲームや将棋などのゲームを基本的に無料で提供し、ゲーム内に登場するユーザーの代理の姿となる「アバター」と呼ばれるキャラクター向けの服装やアクセサリーなどをカスタマイズするためのアイテムに小額課金をしている。

 ハンゲームは、韓国、日本でも大きく成功しているが、ハンゲーム向けのRMT市場は小規模でしか形成されていない。なぜなら月額課金モデルからアイテム課金型のモデルへと移行することによって、ゲーム内のアイテムを売買するというRMTが担ってきた機能をゲーム自体に組み込んだ格好になっているからだ。それらの後発のゲームでは、RMT市場が成り立ちにくい状況が生まれている。初期世代のゲーム上の弱点を、後発のゲームは学習して、システムに取り込むという形で状況が進行している。

 韓国では1人で遊ぶタイプのシューティングゲームもあり、「カウンターストライク」をまねたルールの「Special Force」が人気を集めているが、アイテム課金モデルを採用している。ユーザーはゲーム会社のサーバーにログインしなければ遊ぶことができないようになっており、ゲーム自体は無料で遊べ、ルールは北米の1人称シューティングとほぼ同じだが、強い武器を使いたければ、有料アイテムを購入しなければならない。

 北米でも、オンラインゲームの元祖「ウルティマオンライン」が、2002年9月に最初から高いレベルに設定されたアバターをゲーム会社自体が販売するという形で部分的にアイテム課金の要素を取り込んだ。

 「エヴァークエスト2」では、あまりにもRMTについてのクレームが多く、そのサポートコストがかかりすぎるので、2005年6月から公式に自社運営のRMT市場「Station Exchange」というサービス開始に踏み切っている。

 RMTをゲームに取り込むことによって、ゲームがギャンブル化するという懸念は北米でも議論があるが、専業のカジノサイトがすでに別に存在しているため大問題とは捉えられていない。

■ゲーム内でユーザーが自由にビジネス

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