ITプラス ビジネスを制する人のIT総合ニュースサイト

音声ブラウザ専用。こちらよりメインメニューへ移動可能です。クリック。

音声ブラウザ専用。こちらより記事見出しへ移動可能です。クリック。

音声ブラウザ専用。こちらより見出し一覧へ移動可能です。クリック。

NIKKEI NET

ニュース マネー:株や為替、預貯金、投信の最新情報。持ち株チェックも IR:上場企業の投資家向け情報を即時提供 経営:実務に役立つニュース&連載企画。外注先検索も 住宅:新築・賃貸からリゾートまで住宅情報満載、資料請求可能 生活・グルメ:グルメ情報や、健康ニュースなど生活にかかせない情報満載 教育:学びからキャリアアップまで 就職:学生の就職活動を完全サポート、マイページ利用も可能 求人:日経の転職サイトとWeb上の企業ページから自動的に収集した求人情報を掲載 クルマ:クルマ好き応援サイト C-style:ライフスタイルにこだわりを持つ30代男性向けウェブマガジン 日経WOMAN:働く女性のキャリアとライフスタイルをサポートするコンテンツ満載 日経ワガマガ:アタマとカラダを刺激する、大人のためのコミュニティー

更新:9月26日 13:05デジタル家電&エンタメ:最新ニュース

日本のゲームはなぜ「銀髪」の敵キャラが多いのか

 ゲームの表現方法が豊かになるにつれて、国や地域に特有の好みや無意識のパターンが目に付くようになってきた。ゲーム内で、日本と欧米の価値観の相違がはっきり表れるのはどんなところか考えてみたい。(新清士のゲームスクランブル)

 しばらく前の話だが、アメリカの友人のゲーム開発者に「なぜ、日本のゲームに出てくる敵のボスは、みんな銀髪なのか」と聞かれたことがある。「ファイナルファンタジーVII」の人気の悪役でもある「セフィロス」といったキャラクターが代表的だが、確かに多い。

 ゲーム以外でも、アニメ「攻殻機動隊」に登場する「人形使い」や、悪役的なキャラが主人公の「銀魂」といったマンガなど例はいくらでも挙がる。これは、日本のコンテンツ全般に共通する現象といってもいい。悪役と銀髪のセットが格好いいキャラという「記号」になっている。

 ただ、なぜそうなのかと聞かれて、私はまったく説明できなかった。日本には銀髪の人が少ないため、何となくエキセントリックな印象を与えるのかもしれないが、どうもしっくりこない。その後も、いろんな日本の開発者に同じ問いかけをしたのだが、本人たちもわからなくて悩む。どうも自分たちで意識することなく決めている面が強いようだ。

 アメリカ人の友人に言わせると、日本製ゲームの銀髪の扱いには違和感を感じるという。まあ実際、銀髪の人が身近にたくさんいればそうなのかもしれない。

■欧米のゲームの主人公はなぜ、おっさん?

 一方で、私は逆に「なぜ、欧米のゲームの主人公はみんな“おっさん”なのか」と聞いた。例えば、「グランドセフトオートIV」「ギアーズオブウォー」「ハーフライフ2」の主人公はすべて30歳代。そのほか例はいくらでもある。アメリカで人気のあるゲームでは、大人が大活躍しなければならないらしい。

「グランドセフトオートIV」の主人公は30歳代半ばという設定のニコ・ベリック(Rockstarの公式サイトから)

 「メタルギアソリッド」シリーズの主人公「ソリッド・スネーク」は日本でも人気が高いが、北米でのキャラクター人気はそれ以上である。大きな理由は、スネークが「おっさん」だからで、共感を得やすいからではないかと思う。これは日本の銀髪と同様に、欧米のゲームの「記号」的な約束事として成立しているのだ。

 もちろん、30代以上のおっさんが活躍するという記号は、ハリウッド映画でのお約束でもある。アーノルド・シュワルツェネッガーやシルベスター・スタローン、ブルース・ウィリスといった、80年代のアクション映画の主役たちが作り上げてきたモデルが、そのまま今の欧米のゲームに引き継がれているともいえる。

 人生の経験をある程度積んできたスーパーヒーローが、たった一人で世界の大ピンチに立ち向かい、誰がどう見ても悪そうな敵をやっつける。アメリカの人気ゲームの物語のお約束といってもあまり間違っていないだろう。アメリカ人が自分でなりたいと思う心理的なヒーロー像というわけだ。

 日本では海外のゲームソフトがヒットしないが、私はその一つの理由がこの「おっさんモデル」にあると考えている。日本では、10代の主人公が大人に反発しながら成長していく物語に共感しやすいという傾向が昔からある。日本人の心理的な元型ともいうべきものだ。そのため、日本人は欧米のおっさんが活躍するゲームに容易に思い入れすることができない(その半面、10代の少年少女が主人公の日本のゲームは子ども向けと考えられ、幅広い年齢層に受けないという難しさにもぶつかっているが)。

■ポケモンとあつまれピニャータの決定的違い

 人気ゲームの「ポケットモンスター」シリーズは、それぞれのポケモンが沼や草むらなど特定の場所に棲んでいるという設定になっている。ただ、常々不思議なのはそれらのポケモンが何を食べて生きているのかよくわからないことだ。ゲーム内では基本的にポケモンは食事を取らず、さらにいえば、それぞれのポケモン同士に食物連鎖の関係はない。

 もちろん、元々「虫取り」がアイデアの元であり、そうしたことを考えること自体がナンセンスだが、それでも生物なのだからと不思議に思ったりする。本来は生物として食い合いをしているはずなのだが、アニメ版でもそういった描写はまったくなく、意図的に省略されている印象がある。

 対照的なのは、11日に発売になった「あつまれピニャータ2:ガーデンの大ぴんち」(Xbox360、マイクロソフト)である。ここでは、登場する生物の間に明確な食物連鎖の関係がある。特定の生物に自分の庭に棲み続けてもらうには、何か別の生物を食べさせるといった行動が要求される。

 日本人からすると、自分のかわいい生物を食べさせるという行為はグロテスクに感じられる部分もあるようで、昨年に前作が発売された際にはその描写の是非についてネット上で話題にもなった。

 5日に発売になった銀河系シミュレーターの「スポア」(パソコン、EA)でも、他の生物を食べる行為が必須のルールとして盛り込まれている。生物が陸上生物として進化した段階で、食物連鎖をめぐる争いが始まる。もし、肉食動物として進化させた場合には、他の生物を襲って殺して食べなければ成長できず、自らが空腹で死ぬ。しかも、殺した生物の死体は放っておくとそのうち腐ってしまい、間違って食べた生物が黄色い吐しゃ物を出したりまでする。

 つまり、欧米のゲームデザイナーは、生物の食物連鎖を表現することに明確な意味があると考えていることがわかる。

>>次ページ ■ゲームに表れる日本と欧米の身体観の違い

<< 前のページへ     1   [ 2 ]     次のページへ >>

● 記事一覧