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更新:10月20日 11:05デジタル家電&エンタメ:最新ニュース

「クリエイター」と「ディベロッパー」、日本のゲーム技術者の進む道は【コラム】

 日本ではゲームの開発もしくは制作に関わっている人のことを一般に「ゲームクリエイター」と呼ぶ。ところが、この言葉、和製英語で日本だけで使われる名前であることをご存じだろうか。(新清士のゲームスクランブル)

 英語圏では、「ゲームディベロッパー(game developer)」と呼ぶのが一般的である。ディベロッパーは、開発者個人と、開発企業の場合を指す。日本でも販売元であるパブリッシャーと区別する際に、開発企業をディベロッパーと呼ぶ場合があるが、個人に使うことはなく、訳語として「ゲーム開発者」が使われる。

 「ゲームクリエイター(game creator)」が、英語圏で使われていない言葉であることは、検索エンジンに英語でワードを入れてみるとすぐにわかる。ゲーム開発に関する重要なサイトが引っかかることはない。毎年3月に行われる世界最大のゲーム関係のカンファレンスも、ゲーム開発者会議(Game Developers Conference、GDC)であって、ゲームクリエイター会議ではない。

 「クリエイター」と「ディベロッパー」。この2つの言葉の持つニュアンスは、かなり違っており、実際のところ、似て非なる側面を持つ。また、和製英語として定着したこの言葉は、日本と英語圏との本質的な「ゲーム」に対する考え方の違いを示している。

 「クリエイター」は、創造者、創作者という「無から有を生みだす」者に使うニュアンスを持っている。「the Creator」とすると、キリスト教の神という意味になる。まさにゼロから世界を生みだした創造主だ。

 ただ、ゲーム開発者について、クリエイターを一切使わないというわけではない。例えば、ゲームのキャッチコピーとして、「the creator of Age of Empires (『エイジ・オブ・エンパイア』の創作者)」という形で、パッケージに記入される。特に、新しいジャンルを切り開き、大ヒットタイトルに結びついたりしたような開発チームなどに対しては、そのタイトルの創造者というニュアンスを込めて、「クリエイター」という言葉が使われる。

 そのため、「the creator of Mario(『マリオ』の創造者)」、もしくは「Mario creator」と書けば、任天堂の宮本茂氏を指すことになる。英語圏でのクリエイターという言い方には、尊称としての特別なニュアンスが込められており、日本のゲームクリエイターのように、一般名詞(game)と一緒にして使われることは少ない。

 それに対して、「ディベロッパー(Developer)」という単語は、「クリエイター」とニュアンスがだいぶ違う。

 オックスフォード英英辞典では以下のように定義されている(訳は筆者)。

1 a person or company that buys land or buildings in order to build new houses, shops/stores, etc., or to improve the old ones, and makes a profit from doing this: property developers

新しい家や店・店舗などを建てる、もしくは、古い物件をよくしたりする目的で、土地やビルを買って、それらのことから利益を得る個人、もしくは企業:例)不動産開発業者

2 a person or a company that designs and creates new products: a software developer

新しい製品をデサインや創造する個人や企業:例)ソフトウェアディベロッパー

3 a chemical substance that is used for developing photographs from a film

フィルム写真を現像するための化学薬品

 元々は不動産業者や建設業者を示す言葉から派生して、製品の製造者にも使われるようになったことがわかる。建築用語であったものが、コンピュータサイエンスの世界に入ってきた言葉は多い。ゲームディベロッパーという言い方は、ソフトウェアディベロッパーという用語の誕生後に、派生して一般化した単語だろう。

 GDCは、1987年に「Computer Game Developers Conference」という名称でスタートし、当時アメリカのサンノゼ地域に住んでいた開発者のリビングルームで12人のゲームデザイナーが招待されて講演したところからスタートしている。日本で「ファミコン」が発売されたのが、1983年であることを考えると、「ゲームディベロッパー」という単語は、ゲーム産業の誕生期からアメリカでは定着していたことがわかる。

 ディベロッパーという言葉には、他の何かを流用しながら、別のものへと発展させていくというニュアンスが含まれている。特に、プログラムにはそういう性質があり、部品を組み合わせ発展させていくという技術的な特性がある。

プログラムよりも企画重視のゲーム開発

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