更新:11月14日 11:52デジタル家電&エンタメ:最新ニュース
金融危機後の世界ゲーム産業 日本勢、時価総額で浮上
米国発の金融危機に対し各国政府の対策が整い始めたものの、株価が金融危機以前の状態に戻る兆しはない。この金融危機後の株価水準は、ゲーム産業にどのようなインパクトを与えるのだろうか。(新清士のゲームスクランブル) 筆者作成の「ゲームパブリッシャー時価総額ランキング」を見ていただきたい。これは、9月から10月にかけての金融危機で起きた変化を明確化するために、金融危機が本格化する以前の9月3日(米市場は2日)と、11月11日(米市場は10日)の株価の終値を比較したものだ。現在の時価総額の規模に応じて20位までをランキングにして掲載した。
マイクロソフト、ウォルト・ディズニー、ソニーといったゲーム以外の様々な事業を展開している企業が含まれているが、株価は事業ごとに切り分けられないために一律に示している。そのため必ずしも、ゲーム事業の規模とランキングは一致しない。また、時価総額は企業間の比較を容易にする目的で、あえて日本円に換算してある。 ■欧米パブリッシャーを直撃 表を見ると明確なのは、北米のソフトウエアパブリッシャーが、大きな影響を受けているということだ。特に、金融危機に業績の悪化が重なったエレクトロニックアーツ(EA)は下落率53%と、ほぼ2分の1の水準まで値を下げた。ヒットタイトルがなく業績悪化が鮮明になったTHQは71%、「グランドセフトオートIV」以降に目玉タイトルがないテイクツーも51%下落した。 EAは今年2月にテイクツーに対し買収提案を行った際に、一株あたり25・74ドルという買収額を提示した。テイクツーはそれを「不当に低い評価」と拒否したが、現在は半値以下の12.1ドルである。EAはすでに9月14日に買収交渉を打ち切っている。 これらの企業に対して、今年の年末商戦でも「ギターヒーロー」などの目玉を持ち、大規模オンラインRPGの「World of Warcraft」で1000万人以上の月額課金ユーザーを抱えるアクティビジョンブリザードは25%の下げにとどまっている。結果として、EAとの時価総額の差を2倍近くまで広げ、世界最大のゲームパブリッシャーとしての地位をますます盤石にしている。 仏UBIは好業績が伝えられながらも37%の下落に直面しており、欧州圏での金融危機の大きさを物語っている。時価総額が2278億円と低いのは、ユーロ安の影響もある。 この表によってわかるように、金融危機を契機に欧米パブリッシャーの企業価値は大きく低下し、強者と弱者の差がはっきりとついてきた。有力なゲームパブリッシャーとして生き残れそうなのは、アクティビジョンブリザードとEA、UBIの3社にほぼ絞られ、他のパブリッシャーは脱落しかかっている。 ランキングに入れていないが、アタリブランドをもつ仏インフォグラム(時価総額1億11万ユーロ、約126億円)、「トゥームレイダー」を持つEidosを買収した英SCi(時価総額6326万ポンド、約94億円)、業績悪化で存亡の危機に直面している米Midway(時価総額4010万ドル、約39億円)など、業績が悪化しつつあるパブリッシャーは株価の落ち方に歯止めがかからなくなっている。 次ページ・・・相対的にダメージ小さいアジア企業 ● 関連リンク● 記事一覧
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