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更新:11月6日 13:29デジタル家電&エンタメ:最新ニュース

任天堂が大画面「DSi LL」でやろうとする実験

 任天堂が2010年3月期の連結営業利益見通しを期初予想の4900億円から3700億円に下方修正すると発表した。円高要因もあるが、据え置き型ゲーム機「Wii」の失速が響いている。今回は、任天堂の変調からゲーム機市場を取り巻く環境の変化を考える。(新清士のゲームスクランブル)

 任天堂は10月29日の中間決算発表で、Wiiの販売計画を当初の2600万台から2000万台に引き下げた。一方、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」は3000万台で変えていない。また、新ハードとして画面サイズを4.2インチに大型化した「ニンテンドーDSiLL」を11月21日から2万円で販売するとも発表した。

■景気が回復すればゲーム市場も上向くか

 今のゲーム機市場を昨年からの世界的な景気悪化で説明することは簡単だ。10月30日の中間決算説明会でプレゼンに立った岩田聡社長も「今年前半、ゲーム業界全体でヒットタイトルに恵まれなかったことが、世界の市場規模を縮小させた主たる要因」と述べている。ゲーム市場は日米欧ともに前年割れの状況で、シェアだけをみれば任天堂はむしろ善戦している。

 ただ、質疑応答で岩田氏は「私たちの想定以上にゲームに対するムードが冷えた。それは今年の春時点で覚悟していたが、正直、夏の時点で『これほど冷えてしまうとは』と思ったのは事実。そこに見込み違いはあった」と語っている。それほど急激な変化が今年起こったということだろう。

 では、その変化は循環的なもので、景気が回復すればゲーム市場も再び活性化するのだろうか。その点には疑問がある。仮に市場構造が大きな転換点にあるとすれば、据え置き型ゲーム機の時代がいつまで続くかが最大のポイントになると思われるのだ。

■据え置き型ゲーム機はなぜ盛り上がらない

 私はその可能性がありうるとみているが、Wiiを含む現行世代の家庭用ゲーム機は、「プレイステーション2(PS2)」までの時代のように最終勝者が出ないまま終わっていくことになるかもしれない。

 総務省が今年5月に発表した「地上デジタルテレビ放送浸透度調査」によると、地上デジタル放送対応の受信機を持つ世帯は60.7%で、薄型ハイビジョンテレビと想定してよいと思われる「チューナー内蔵テレビ」の所有比率が50.4%にのぼる。世帯数でみれば、約2500万世帯が薄型ハイビジョンテレビを所有していることになり、1年前の同じ調査の34.2%、約1400万世帯から比べても一般家庭への浸透が急速に進んでいることがわかる。

 ところが、日本ではハイビジョン画質の恩恵が大きい高性能なゲーム機の販売が伸び悩んでいる。「プレイステーション3(PS3)」は約380万台(VGChartz調べ、以下ハードは同じ)、「Xbox360」は約120万台で、ハイビジョンテレビの普及がハードの販売を押し上げる要因になっていない。

 トップのWiiは約870万台で、販売台数のペースはPS2以上といっていいが、ソフトは50万本とか100万本クラスのヒットタイトルが連発という状況になっていない。「Wiiスポーツリゾート」が120万本(メディアクリエイト調べ、以下ソフトは同じ)、「モンスターハンター3」(カプコン)が92万本、「WiiFit」が56万本といった程度だ。

 据え置き型の低調ぶりは携帯型ゲーム機と比べると、よりはっきりする。「ニンテンドーDS」用の「ドラゴンクエスト9」(スクウェア・エニックス)は400万本、「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」は250万本、「トモダチコレクション」は128万本。また、「プレイステーション・ポータブル(PSP)」向けの「モンスターハンターポータブル 2nd G」は83万本。売れ筋は完全に携帯ゲーム機に移っている。

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