更新:8月1日 11:49デジタル家電&エンタメ:最新ニュース
マジコン対策に本腰の任天堂・新型DSはいつ登場?
任天堂は7月29日、「ニンテンドーDS」の海賊版ソフトを動かせるようにするいわゆる「マジコン」と呼ばれる機器の輸入・販売をおこなっている業者を、ゲームソフト会社54社と共同で東京地裁に提訴した。ついに法的措置に乗り出してきたかと思ったが、果たして任天堂はどこまでこの難しい問題に迫れるだろうか。(新清士のゲームスクランブル) マジコンについては以前のコラム「韓国でDSヒットの陰に海賊版の復活・日本も対岸の火事でない」でも書いた。インターネット上に違法に流通しているDSソフトのデータをパソコン経由で外部メモリーに書き込み、その外部メモリーを差し込んだマジコン本体をDSにセットすれば、普通のDSソフトのようにゲームを遊べてしまう。 韓国はもちろん日本でも売られており、ゲーム業界を悩ませてきた。任天堂はすでに韓国では提訴しており、日本でもいよいよ法的手段によって輸入・販売の差し止めに動きだしたことになる。 ■一般化するDS違法コピー問題 任天堂はニンテンドーDSの新型を発表するか――。7月に開催された米ゲーム展示会「E3」では、北米メディアを含めて任天堂の動向に注目が集まった。任天堂はこれまで、携帯ゲーム機については2年程度の周期で何らかのアップデートを行ってきた。2006年の「ニンテンドーDS Lite」発売からは2年以上が経過しているため、何らかの新型が登場しても不思議ではなかった。 結果的に、E3ではそのわずかな兆しさえも見せなかったが、私自身は任天堂は新型DSを早期にリリースしたいと考えていると思っている。その理由はまさに今回の違法コピー問題にある。 2週間ほど前、都内を山手線で移動していると、向かいに座っていたごく普通のOL風の20代の女性がDSを持っていた。男性と談笑しながら触っていたが、そのDSにマジコンが差さっているのを見てショックを受けた。遠目でもカートリッジがマジコンであるかどうかは見分けが付くが、その女性からはゲームオタクっぽい雰囲気がみじんも感じられなかったからだ。 最近は電車内で携帯ゲーム機で遊んでいる人を見かけることも普通になったが、そのゲーム機がマジコン付きのDSであるというケースが確実に増えている。個人的な実感として、オタク層だけでなくごく一般的な人にまで普及する段階に入ったと考えている。
そうなるのも当然な状況ではあった。マジコンはこの1年あまりの間に、日本でも急速に広がっていた。先週まで、秋葉原でも店頭で普通に販売されているのを見つけることができ、一部ショップでは目玉商品としておかれていた。日本のEコマースサイトやオークションサイトでは、現在でも販売を行っている業者が多数存在する。アマゾンでも、現在も「中古品」と銘打たれて販売されている。昨年末から比べると半額の3000〜4000円前後の値段が付いていた(直近では価格が上昇しているようだ)。 マジコンのデータは、「ウィニー」などのP2Pソフトを使ってインターネット上で匿名でやりとりされている。使うには、ちょっとしたコンピューターの知識を必要とするが、使用法の丁寧な説明を掲載しているサイトも少なくない。さらには、多数のゲームデータをまとめたCD−ROMを販売しているサイトさえある。 それどころか、書店にもマジコンの操作方法を解説する書籍が当たり前のように置かれている。そのやり方を説明すること自体は違法行為ではないという、音楽ファイルなどのP2P問題の際に使われたのと同じロジックで書籍が作られ販売されているからだ。「YouTube」にも操作方法の説明動画が日本語、英語とも多数アップロードされており、10万回以上視聴されたものもある。 ■世界中に広がるマジコン この問題は日本や韓国にとどまらない。今週、欧州から来たゲーム開発関係者が言っていたが、ある知人がシンガポールに出張してマジコンを買ったという。驚いたのは、付属していた外部メモリーにゲームのデータが200本分も入っていたことだという。 イギリスの業界団体ELSPAのIP犯罪ユニットのジョン・ヒラー氏は今年2月の英MCV誌のインタビューで、「(マジコンの普及を)警戒している」と述べ、近く何らかの対策を行っていくとの考えを示していた。イギリスでも、マジコンが容易に手に入る状況になっているようだ。 イーベイなどの欧米の主要オークションサイトでは、任天堂のクレームを受けてか、限られた数しかマジコンの出品を見つけられなかったが、主要でない販売サイトでは簡単にいくらでも見つかるのが実情だ。YouTubeのマジコンのチュートリアルビデオを見て驚かされるのは、どう聞いても小学生ぐらいの声と思われるビデオが複数アップされていることだ。そうしたところからも蔓延ぶりが伝わってくる。 P2Pの情報サイトを見ていると、日本のゲームでさえ発売後数日でデータがアップロードされている。DSのゲームは最大で数十メガバイトという小さなファイルサイズのため、ブロードバンド回線であればあっという間に交換が行われてしまう。 マジコンは全世界で膨大な販売数に達しており、膨大な量のゲームがコピーされ続けていることは間違いない。ゲームの場合、音楽や映像ソフトのようにメディア自体をコレクションしたいというモチベーションは働きにくい。そのため、コピーを手に入れたユーザーが、正規のゲームを買い直しているとは思えない。 ■ハード的には手の打ちようがない ● 関連リンク● 記事一覧
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