更新:11月18日 12:13デジタル家電&エンタメ:最新ニュース
ウェブビジネス市場を2倍にする方法
ウェブビジネスの事業対象はつきつめれば、パソコンやケータイの「画面」である。インターネットという仮想空間そのものは無限の広がりがあるのだが、リアルな私たちとの接点はパソコンやケータイのディスプレーだけだからだ。ではディスプレーをもっと増やしたらどうだろう。(江口靖二) パソコンやケータイ以外に具体的にはどんなディスプレーがあり得るのか。私は「家ナカ」と「家ソト」の両方にあると考えている。 ■静止画にも向くデジタルサイネージ 「家ソト」の代表は、なんといっても最近続々と導入が進んでいる「デジタルサイネージ」である。今年は大手スーパーやコンビニエンスストアといった流通での導入が特に盛んだ。日本のデジタルサイネージのうち、インターネットに接続されているものはまだ10%に満たないと思われる。しかし、最近の事例のほとんどは、ネットに接続して時間と場所に応じてコンテンツを変化させることができる。デジタルサイネージが持つメディア特性を生かせるものが主流だ。 デジタルサイネージは一般に、テレビCMなどが流れる映像・広告配信メディアと受け取られることが多いが、必ずしもそれだけではない。動画よりも静止画が向いているケースが多く、テレビCMよりはチラシや看板、そして何よりもウェブに近い。 では、ウェブのバナー広告と街角にあるデジタルサイネージのディスプレーを同じようなものと考えたらどうだろう。つまり、ウェブビジネスやネットマーケティングの延長線上でデジタルサイネージをとらえるわけである。 デジタルサイネージは、私たちの生活動線の中でパソコンやケータイがカバーできない場所をカバーすることができる。ユーザーがよく利用するウェブサイトが街角のサイネージで表示されたらどう反応するか。インタラクティブ性は必要か、片方向でかまわないのか。そのサイトは家ソトのどこで見られたら便利だろうか。デザインを変えれば結構使えるのではないか。こうしたことを事業者、ユーザーそれぞれの視点で考えれば、新たな発見があるに違いない。 ■家庭に入り込む「ネットフレーム」 もう一つの「家ナカ」では、インターネットに接続できるデジタルフォトフレーム、つまり「ネットフレーム」が有力である。 デジタルフォトフレームは今のところはネットにつながらないスタンドアローン型が主流だ。しかしこれでは人はすぐに飽きてしまい、市場は拡大しない。自分で撮った写真しか見られないディスプレーでは飽きるのだ。 しかし、ネットフレームであれば、オンライン上にある知らない人の写真も、動画も、ニュースも天気予報も見ることができる。「家ナカ」においてはテレビとパソコンに加えて、ネットフレームが一家に数台という規模で入り込んでくるだろう。 その姿かたちはさまざまで、あるものは普通のフォトフレーム、またあるものは電話やファクス、プリンターの顔をしているかもしれない。時計やカレンダーもネットフレームの有力なコンテンツだ。アーティストのファンクラブや野球やサッカーの球団などが利用するには非常にいいメディアになるだろう。 ■既存のコンテンツがそのまま生きる デジタルサイネージやネットフレームはこれから1台あたりの導入コストがさらに下がっていく。安くなれば数が増えるが、メディアとしての価値は相対的に下がり、1つのコンテンツに投下できるコストも少なくロングテール的になる。であるからこそ、デジタルサイネージやネットフレーム専用にコンテンツやビジネスモデルを構築するのではなく、従来のウェブビジネスとして捉えるべきなのだ。 コンテンツのレイアウトや文字サイズだけを考慮すれば、既存のウェブ上のあらゆるビジネスが新たな市場を手に入れることができる。ノンPC、ノンケータイのウェブビジネスはデジタルデバイドの解消にも貢献するはずである。 ※このコラムへの読者の皆様のご意見を募集してます。こちらをクリックすると、今回のコラムに関するコメントを受け取るための専用ページが開きます。(NIKKEI NET外部にある江口氏個人のブログサイトにリンクしています) [2009年11月18日] ● 関連記事● 関連リンク● 記事一覧
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