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更新:8月7日 14:50デジタル家電&エンタメ:最新ニュース

日本のコンテンツ、世界に浸透――「世界コスプレサミット2006」

 日本のアニメ・マンガをテーマに、登場人物に扮(ふん)する「コスプレーヤー」たちが世界から集い、頂点を目指して競う「世界コスプレサミット2006」が8月5日、6日の2日間、名古屋市内で開かれた。各地の予選を突破したドイツ、イタリアなど9カ国22名のコスプレーヤーが自慢のコスプレ姿を披露、日本発コンテンツの海外での人気ぶりをうかがわせた。

 このイベントはマンガ・アニメ文化を通じた国際親善を目的にテレビ愛知が企画したもので、今年で4回目の開催。今回から、ポップカルチャーによる海外との交流に取り組む外務省や、外国人旅行者の訪日を促進する「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開している国土交通省が後援している。特に外務省は、優勝者に外務大臣賞を授与したほか、審査員として職員を派遣するなど、積極的な協力姿勢を見せた。

ドイツ代表のダニエラ・グルデンプフェニヒ(左)さんとタニャ・レシュケさん

 5日は中区大須で開かれた「大須夏祭り」の一環として「コスプレパレード」を敢行。各国代表に加え、全国から集まった一般のコスプレーヤー約100人がお気に入りのキャラクター姿で市街地を練り歩いた。大須は東京・秋葉原と並ぶ「オタク文化」の街としても知られ、メード喫茶の店員が「お帰りなさいませ、ご主人様」と言って客を迎えるスタイルは名古屋が発祥地という説もある。

 6日は東区の立体型庭園「オアシス21」でコスプレ世界一を決める「世界コスプレチャンピオンシップ」が5200人の観客を集めて開かれた。この日の名古屋は最高気温35度を記録。うだるような暑さの中、会場には昼過ぎからこのイベントを一目見ようとコスプレーヤーが続々と集結。お互いの衣装について評価し合ったり、その姿をカメラに納めたりといった光景があちこちで見られた。

 東京から駆けつけた男子高校生は「世界的なビッグイベントと聞いてやってきた」と、暑さにも負けずマンガ「ジョジョの奇妙な冒険・第三部」の主人公、空条承太郎の学生服姿で写真撮影に応じていた。主催者によれば、最近はアニメやマンガだけでなく、コーエーの「三国無双」シリーズなど、ゲームのキャラクターになる人も増えているという。

 会場の熱気も最高潮に達した午後6時、コメンテーターとして参加した声優・古谷徹氏の「世界コスプレサミット2006、行きまーす!(「機動戦士ガンダム」で古谷氏が演じた主人公アムロのセリフのパロディー)」という威勢の良いかけ声とともに審査会が開演。観覧席は瞬く間に埋まり、多くの人が立ち見で見守る中で審査が進んだ。

 各チーム2名のコスプレーヤーが3分間の持ち時間を使い、演技や歌で審査員や客席にアピール。衣装の出来栄えもさることながら、日本語のセリフや歌詞も難なくこなし、作品の世界観を時にかわいらしく、時に迫力満点で表現する力に、客席から大きな歓声と拍手が送られた。

 見事に優勝したのは、兄妹で参加したブラジル代表のマウリシオ・ソメンザリ・L・オリヴァスさん(20)とモニカさん(18)。外務大臣賞と、次回の来日のための航空券を獲得した。2人はマンガ「天使禁猟区」に登場する天使、ロシエルとアレクシエルとの戦いを幻想的に再現して客席を魅了した。

 優勝が決まった瞬間、モニカさんは「とても言葉にならない」と涙ぐみ、兄のマウリシオさんは「このイベントに参加したことで世界の素晴らしい仲間ができて嬉しい」と興奮気味に語った。前日の夜には出場メンバーでカラオケに興じ、各国語でアニメソングを熱唱したという。

 マンガ・アニメを通じての国際交流を果たした出場者たちは、この日のフィナーレでも、人気アニメ「ONE PIECE」の主題歌を、互いに手を取り合いながらそれぞれの母国語で一緒に歌った。

 イベント終了後に行われた会見で、マウリシオさんは日本のアニメの魅力を聞かれると「アメリカのコミックなどと比べると、日本の作品はより現実に近く、その世界に入り込みやすいという面があると思う」と冷静に分析。妹のモニカさんは「だって、日本のアニメは絵がとってもキレイだわ!」とのこと。

講評を行う審査委員長・漫画家の永井豪氏

 審査委員長を務めた漫画家の永井豪氏は、日本のマンガ・アニメ文化の発展について「この文化は、戦後の貧しい時期に、お金をかけなくても創り出せるエンターテインメントとして急激に発展した。それを引っ張ったのが手塚治虫という天才だ。コストをかけずに創造できるという側面が、作家の個性を生かした多様な文化につながったのではないか」と語った。

 日本のコンテンツが各国で受け入れられている理由については「実写の作品だと、外国の俳優が演技をしていればそれは外国のもの、と思ってしまうが、マンガやアニメだとそう思われない。多くの国の子供が、日本の作品を『自国のオリジナルだ』と信じているんですよ」と述べた。キャラクターには、まさに言葉の壁も、国境もないようだ。

 主催者のテレビ愛知では、来年以降もこのイベントを継続して実施する予定。当面名古屋から会場を移すつもりはないが、昨年「愛・地球博」会場での実施が大成功を収めたことから、2010年は上海万博会場での開催を目指すという。(日経メディアラボ 市毛勇治)

[2006年8月7日]

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