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更新:4月17日 10:30デジタル家電&エンタメ:最新ニュース

グーグルが提案するラジオ広告のオープン化・NAB2008

 4月17日まで米ラスベガスで開催されたNAB(全米放送事業者協会)の放送機器展「NAB2008」。今回新たに発表されたものではないが、米グーグルのラジオ局向け業務自動化システムである「Google Radio Automation」を初めて見た。(江口靖二)

 業務自動化システムとは番組や楽曲とCMの枠を管理するもので放送局の中枢システムである。ラジオ局でいえば、番組を編成していく編成部門とCMを販売する営業部門の両方が使うものだ。ここに昨年からGoogleが参入していることはあまり知られていないだろう。

 このシステムはラジオの広告キャンペーンを制作管理する「Google Audio Ads」と、WEBのAdSenseのラジオ版である「Google AdSense for Audio」などを含んでいる。ラジオ大国とも言えるアメリカでもラジオのマーケットは苦戦を続けている。ラジオ局にとって収益源を確保するためにはAdSenseのような広告最適化システムはまさに渡りに舟といったところであろう。一方、グーグルにとってもラジオ、テレビ、屋外メディアなどの市場はWEBの検索連動広告以外の新たな広告主を獲得する手段の1つとして有望であるはずだ。

グーグルのラジオ局向け業務自動化システム

 WEB検索と連動するのではなく(出来なくはないと思うが)、あらかじめ広告出稿の条件設定をすることでより効果的にCMを送り届けるという仕組みになっている。たとえば天候や気温などに応じて自動的にCMが最適化されて差し替えられるのである。元々は缶コーヒーのCMが予定されていたのを、気温が高くていわゆるビール指数が高いときには自動的にビールのCMに差し替えるといった具合だ。

 差し替えられてしまった缶コーヒー会社からしてもむしろ無駄がなくて効果的だと判断される。もちろん広告費は実績ベースで精算される。さらにGoogle Radio AutomationはAPIが公開されていて、これを利用すれば誰でもデータを交換できるようになる。誰でも広告代理店になることが可能ということだ。

 加えてポッドキャストの作成と配信の自動化機能やラジオ局間でのコンテンツ共有機能もある。あくまでもラジオ局用のシステムではあるが、業務が複雑なために難易度は上がるにせよテレビ局向けのシステムも十分可能になるはずだ。

 これまで放送局内のシステムはブラックボックス化していて新規参入は非常に困難な領域であった。ところがGoogleが提案するオープンなシステムは放送局の様々な機能を外部に持たせることが可能になる。制度やクローズドな技術に守られてきた放送局はこれからますますオープンな場所に引きずり出されて行くに違いない。

[2008年4月17日]

-筆者紹介-

江口 靖二

デジタルメディアコンサルタント

略歴

 1986年慶應義塾大学商学部卒、慶應義塾大学新聞研究所修了、日本ケーブルテレビジョン(JCTV)入社。技術局、制作局、マルチメディア室、経営企画室を経て開発営業部長。CS、BS、地上波の番組制作、運用を経験。00年AOLジャパン入社、コンテンツ部プログラミングマネジャー。02年プラットイーズ設立に参画し放送通信領域のコンサルティングに従事。08年独立。現在デジタルサイネージコンソーシアム常務理事、慶應義塾大学DMC機構研究員、シェフィーロ取締役などを兼務。

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