更新:2006年11月24日 14:22デジタル家電&エンタメ:連載・コラム
新清士のゲームスクランブルPS3発売で逆転した日米の力関係・水面下で何が交渉されたのか
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の新型ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」の発売を通じて明らかになりつつあるのは、ハイエンドのコンシューマー機市場において、日米のゲーム産業の力関係が逆転したという厳しい現実だ。ゲーム機本体を開発するSCEやそれ向けのタイトルを発売する日本のソフト会社が握っていた、ビジネスモデル構築とタイトル開発力の両方の主導権が、米国企業に移ってしまったのである。 米国ではXbox360に遜色ないレベル PS3と同時発売されたゲームソフトは、日本では結局5タイトルにとどまった。これは以前から指摘しているようにPS3に搭載する高性能CPU「セル」を活用するためのソフト開発の難しさが響いている。 ところが、北米は発売と同時に15タイトルも投入され、タイトルラインアップという面では、日本よりはるかに充実していた。「Xbox360」の北米での発売時が、18タイトルであったことを考えると遜色ないレベルだ。 注目すべきは、15タイトルのうち米ゲームソフト最大手のエレクトロニックアーツ(EA)が発売した3タイトルの動きである。 1つは毎年すべてのプラットフォームの合計で500万本を売り上げるEA最大のキラータイトルであるアメフトゲーム「Madden NFL 07」だ。米Gamespot誌によるPS3版の評価は10点満点で7.9点。Xbox360版と同じスコアだ。 また、レースゲームの「Need for Speed Carbon」は7.4点でXbox360版は7.6点。わずかにグラフィックの面で減点されているがほとんど差がない。ゴルフゲーム「Tiger Woods PGA Tour 07」も同様だ。 他のゲームサイトでの評価もほぼ同様で、Xbox360版とPS3版の評価に大きな差はない。EAのXbox360版タイトルのPS3への移植は、今後、年内に次々と続く。 これは、EAがXbox360向けのタイトルを開発すれば、そのままPS3に移植できるプログラムの基礎的な環境を全社的に整えたことを意味する。EAは開発が難しい現在のPS3向けタイトルをXbox360版と同じ水準が出せるレベルにまで、わずか半年あまりの短期間で持っていくことに成功しているようだ。
これができる日本のソフト会社は今のところ存在しない。グラフィックのクオリティーで、かなりがんばっているにもかかわらず、PS3の目玉タイトル「機動戦士ガンダム ターゲットインサイト」はGamespot誌では3.9点とかなり厳しい評価だ。日本企業がPS3向けタイトルの開発で苦戦していることを露呈している。 もし、北米のPS3同時発売タイトルに「Madden NFL 07」が含まれていなかったら、そして、発売されたとしても完成度がXbox360版より低い評価だったとしたら、PS3にとっては致命的なダメージとなっただろう。 実はEAは、5月に開催された米ゲームショー「E3」の時には、PS3に対して厳しい評価を下していたと言われている。そのため、一部ゲームは完全にXbox360に特化して開発が進められPS3に移植できないものもあったぐらいだ。 突然の風向き変化 << 前のページへ 1 [ 2 ] [ 3 ] 次のページへ >> ● 関連記事● 関連リンク● 記事一覧
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