更新:10月19日 11:00ビジネス:最新ニュース
経営の変革迫られる時代 企業にも政権交代を!
民主党を中核とする新政権が誕生して早くも1カ月が過ぎた。さまざまな混乱はあるが、期待どおり、あるいはそれ以上に頑張っているという印象の方が多いのではないだろうか。(夏野剛) そう、別にすごいことをやっているのではない。単にマニフェストで国民に約束したことをできるだけ実行に移そうとして、官僚や財界、マスコミなどあらゆるところと摩擦を起こしているだけ。でもマニフェストを実行するという当たり前のことを、当たり前に遂行しようとする姿は政治の世界では新鮮だ。だからこそ高い支持率を維持しているのだろう。 ■自民党でも理論的にはできたはず この1カ月の政治を見ていて、「日本もやればできるかもしれない」という希望がふつふつと湧いてきた、といったら楽観視しすぎだろうか。 予算の全面的見直し、ダム建設の中止、天下りの禁止、記者クラブのオープン化、事務次官会見の中止、政治家前面の外交など、言われてみれば当たり前のことがまったくできなかったのが自民党政権時代。郵政民営化の見直しなど個人的には疑問を覚えるような事柄もあるが、それよりなにより「マニフェストなんてどうせ実現できないだろう」とタカを括っていた国民が驚いてしまうほど、真面目に愚直に実行しようとするその姿に、希望の光を感じるのだ。 もちろん、民主党だからできるというわけではないだろう。自民党でも理論的にはできたはずだ。しかし、やはり歴史的政権交代という大きな後ろ盾、そしてプレッシャーがあるからこそ、鳩山内閣の一人ひとりが何かをしようとしている。 国民の期待を一身に背負い政権交代を実現させたものの、しかしながら何から手をつけていいかわからないほど病んでしまっている日本をどうするのか。半ば呆然としながらも、とりあえずできるところから手をつけていく。そこには予想もしない反発があったり、思ったほど簡単ではないことが判明したり。さぞかし大変ではあろうが、それでも前に向かって進んでいく閣僚の姿は、近ごろ忘れていた政治への期待というものを呼び起こしてくれる。 ■企業も従来の政治と同じ状況 政治の面白いところは、政治が変わると単に政策が変わるだけでなく、国民の意識、世論の雰囲気の変化も起こすところにある。政治が沈滞しているときは国民の意識も沈むし、政治が活発な時は国民意識も高揚する。政治に変化が起こった時には、社会の変化、そして企業の変化も起こりやすいように思う。 いっそのこと、不振な企業の経営陣も大幅に交代したらどうだろうか。 多くの企業で、「本当はこれくらいのビジネスになっているはずなのに」とか、「本当はこんなことやっていてはダメなのに」ということが平気でまかりとおっている。経営陣ですら、「わかってはいるんだけど」とか、「なかなか変えられなくて」というのが普通。典型的なのが日本航空だ。 みんなわかっている。パイロットのみならず、地上職も含めて従業員の給料が高いし、燃料効率の低い機材も多い。不採算路線が多数。このままでやっていけるわけがないのは明白だったのに手をつけられないできた。まるで今までの日本の政治と同じ状況ではないだろうか。 こういう時は、経営陣の一斉取り換えしかないのではないか。それこそ政権交代のように。いままでの常識を疑ってかかることから進化が始まる。これまでの常識を最大の拠りどころとしている現経営陣では、変化は起こせるわけがない。 ■企業変革に必要なエネルギー 多くの日本の大企業には同じことが当てはまるのではないだろうか。いっそ政権交代。その原動力は、国民ならぬ株主と、外圧ならぬ金融機関か。株主と金融機関のみなさん、恐れず政権交代を実現させてはいかがでしょう。民主党でもできたことを新しい経営陣にやってもらいましょう。 もちろん簡単に世の中の雰囲気に流されてはいけません。でも、長らく同じやり方に慣れてきた、長い歴史を背負った経営者に変革を迫っても、なかなか難しいでしょう。やる気の問題ではありません。古いパラダイムから抜け出すのはそれほど難しいことなのです。自民党の皆さんのように。 経験が浅くても、やる気があって愚直に変化を起こそうとする人たちのエネルギーが企業変革には何より必要でしょう。そちらのほうがリスクは相当低いのではないでしょうか。 今こそ、企業にも政権交代を! [2009年10月19日] ● 関連リンク● 記事一覧
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