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更新:12月24日 10:43ビジネス:最新ニュース

2008年のIT業界10大ニュース 識者に聞く(1)

 金融危機に世界中が揺れた2008年も残りわずか。「ドッグイヤー」で進むIT業界も一段と動きの激しい1年だった。IT PLUSではコラムニストや業界の専門家を対象に今年のニュースや来年の見通しについて、アンケート調査を実施した。第1回目は今年の10大ニュースについて。

 ニュースは1人3つまで回答してもらい、1位としたニュースに5点、2位に3点、3位に1点を与えて集計し合計得点でランキングを作成した。回答したのは24人。

 1位は「マイクロソフト(MS)がヤフーに買収提案」だった。一度は提案を拒否したヤフーだったが、その後に創業者のジェリー・ヤン氏がCEO辞任の意向を表明。ネット大手の業界再編は火種を抱えたままの年越しとなりそう。ヤフーが救いを求めたグーグルは今年も台風の目で「『クラウド・コンピューティング』が流行」「『ストリートビュー』が話題に」などの話題を振りまいた。

 2位は「ネット規制を強化」、3位は「ソフトバンクがiPhoneを発売」、4位には「金融危機波及で下方修正相次ぐ」が入った。回答者が選んだニュースとその理由については以下に一覧を掲載した。なぜそのニュースに注目したのか、識者の「こだわり」をお読みいただきたい(回答者はあいうえお順、敬称略)。

 

2008年10大ニュースランキング
順位見出し
1MSがヤフーに買収提案
2ネット規制を強化
3ソフトバンクがiPhoneを発売
4金融危機波及で下方修正相次ぐ
5「クラウド・コンピューティング」が流行
6ダビング10実施で混乱
7google「ストリートビュー」が話題に
8米トリビューンが破綻
9犯行予告書き込みで逮捕相次ぐ
10割賦販売制で端末販売が減少

デジタル・メディア評論家

麻倉 怜士


1.HD−DVDの完全敗北。ブルーレイ・ディスクが次世代DVD

2.パナソニック、三洋電機を買収へ

3.LEDバックライトがいよいよ登場

 ブルーレイの勝利は混迷が晴れて、新世代のホームエンターテインメントの主役が確定した。パナソニックによる三洋電機の買収は、家全体支配、エネルギー支配の戦略が始動したことを示している。LEDバックライトの登場により、液晶テレビの長年の大欠陥であった低コントラストが革命的に改善されることになる。

インテック・ネットコア代表取締役社長

荒野 高志


1.ソフトバンクがiPhoneを発売/google携帯、米で発売

2.Googleストリートビュー

3.IPv4アドレス枯渇タスクフォース結成

 iPhoneとgoogle携帯の登場が示すのは、今後の通信業界のイノベーションは端末と端末に紐づけられるサービスにあることです。通信自体はコモディティー化しており、通信会社の重要度は今後、ますます下がっていくでしょう。

 Googleストリートビューはいよいよ来たかという感じです。今後、いつリアルタイムになるのかが楽しみです。一方でプライバシー問題の決着はどうなるのでしょうか。

 今までインターネットの相互運用性は「あって当然」なものとしてとらえられており、その前提があればこそ、インターネット上のさまざまなアプリケーションの発展が可能であったのです。IPv4アドレスの枯渇問題はインターネットの相互運用性を脅かす大きな危機です。本タスクフォースは世界に先駆けて、枯渇問題に取り組むための組織を産官学の連携により設置しました。

ミスミグループ本社代表取締役副社長

有賀 貞一


1.金融危機の波及で産業界全体に未曾有の影響

2.クラウドをはじめとするユーティリティーコンピューティングの動向

3.パソコンのコモディティー化急進展

 金融危機のもたらしている影響はいうまでもない。これほどまでに影響が急速に出ているのは、かつてないことだ。IT活用の進展と世界経済の発展が、情報流通の加速を生み、関連組織のとる行動がグローバルに瞬時に伝わることから、関係者の行動が同期してしまう、と見ることもできよう。多少余談であるが、あれほどまでに品質不良な商品(サブプライムローンとその派生金融商品)を販売した人たちが、ほとんど罰則を受けず高額な報酬を貰ったままぬくぬくと生き延びていることは、きわめて不思議な現象だと思う。

 2位に挙げた「クラウド」や「SaaS」の目指すものは数十年前から言われてきたユーティリティーコンピューティングへの動きだ。まだまだ課題は多いが、IT業界やソフトウエア業界へ及ぼす影響は計り知れない。にもかかわらず、日本の情報サービス産業界は「ピン」と来ていないのではないか。

 「パソコンのコモディティー化」を3位にしたが、低価格ミニノートパソコンが売れている。よく考えると、ハードディスクと冷却ファン以外にはほとんど動く部品もなく、電子レンジのように高電圧を必要とするでもないようなものが、今まで20万円もしていたのが不思議だ。最近の電子辞書のほうがよほど複雑なことができる。まだまだ安くなってもよい。

ジャーナリスト

石川 温


1.ソフトバンクがiPhoneを発売

2.割賦販売制で端末販売が減少

3.夏野氏がドコモ退社、ドワンゴに

 今年、ケータイ業界で唯一と言えるほどの明るい話題といえば、やはりiPhone発売だったと思う。期待値に比べれば売れていない気もするが、それでもタッチパネルの操作性や、ソフトウエアアップデートで進化するという仕組みは、これまでの日本のケータイにはなかった革新性がある。日本メーカーにも見習ってほしいと思うところが随所にある。

 一方で、モバイルビジネス研究会による販売奨励金の見直し、割賦販売制度の導入が予想以上に端末の売れ行き不振を招いたのには驚いた。三菱電機や三洋電機、ノキアといったプレーヤーの撤退が相次いだが、この流れは2009年もしばらく続きそうな予感。まさにメーカーは体力勝負のフェーズに突入している。

 iモードが登場して9年超。ケータイインターネットの世界をリードしてきた夏野剛氏がNTTドコモを退社したも大きな話題だ。夏野氏が抜けたことで、今後NTTドコモがどのようなサービスを作り出していくのかが興味深いところ。

チームラボ社長

猪子寿之


1.ネット規制を強化

2.任天堂がDSi発売

3.pixivが、月間4億PV達成

 国や警察や、マスコミの個人への過度の干渉が、どんどん増えていって息苦しい。常識が大好きな思考力のない大人たちに、どんどん抑圧されてきている。人と違うものが美しいと感じる人や、人より好奇心が違うところにある人を危険だと決めつける。未来がツマラナイものになりそうで、ウツになりそうだ。このままだと、全てのマイノリティは危険ということになる。12/10版のニューズウィークによれば、自由で寛容で合理的な国であるオランダの子供がヨーロッパ・北米21カ国の子供の中で、もっとも幸せらしい。規制すれば何かが解決すると思っている大人たちの気が知れない。携帯を規制すれば勉強するのか?

 東京ピストルの草ナギさんの言葉を借りれば、「僕が欲しいのはちょっとした、誰にも迷惑をかけない程度のシンプルな自由にすぎなかったというのに」。

 任天堂のDSiはとにかくすごい!これだけ普及していたデジカメが、楽しいデジカメになった!音楽プレーヤーも、ケータイもデジカメも、アップルや任天堂のようなクリエイティブなソフトウェア企業が、新しい領域を創っていっている。全てのデジタル家電は、家電企業が作るものから、クリエイティブなソフトウェア企業が創るものになる時代が来るのだ!それから、全てのツールは、ゲームになりうる。全てのツールは、オモロイ方がいいのだ。全てのツールも、人生も、ゲームみたいにオモロクしちゃった方がいいんだ。

 pixivは、単なるツールではなく、文化が生まれている。日本から世界に発信できるメディアになるのではないだろうか!実際すでに5%以上が海外からのアクセスらしい。絵は、言語非依存だ。英語化なんかより、無言語化のほうがかっこいい。シリコンバレーを習うより、コミケに通っていた方が、世界は、近かったみたいだ。

総務省情報通信経済室長

今川 拓郎


1.金融危機波及で下方修正相次ぐ

2.google「ストリートビュー」が話題に

3.パナソニック、三洋電機を買収へ

1)ソニーの人員削減やキヤノンの工場着工延期など、情報通信分野も世界的な需要減の影響が避けられず、長期化するおそれもあり。

2)「ストリートビュー」に限らないが、グーグルの革新的な新規サービスは、間違いなく日本の関連業界の将来を左右する。

3)電機大手発のM&Aによる国内最大級の電機メーカーの誕生は、日本の情報通信企業の合従連衡を促す契機となる可能性がある。




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